子どもと一緒に遊ぶ保育士の仕事は一見楽しそうに思えますが、実際は体力面でも精神面でもとてもハードなんです。
中には憧れを持って保育士になったものの毎日のハードな業務で心身共にすり減らし、辞めたいと思ってしまうこともあるようです。
大変な仕事である保育士ですが、具体的に保育士を辞めたいと感じる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、よくある辞めたい理由を全保育士に共通のものと新卒、中堅、ベテラン、フリーそれぞれ特有のものに分けて紹介し、各理由ごとに退職を決意するまでにできる解決策をお伝えしていきます。
また、保育士を辞めたあとの選択肢や円満退職に向けての方法を詳しく解説します。
年代別!保育士を辞めたいと思うのはなぜ?今すぐできる解決策は?
いつの時代も常に女の子の憧れの職業上位にランクインしている保育士ですが、働いている人の中には「辞めたい」と思っている人が多数いるのが現実です。
実際に保育士を辞めた人の退職理由にはどんなものがあるのでしょうか。
平成30年度東京都保育士実態調査報告書の「保育士を辞めた理由」の表を見てください。
全体 | |
人間関係 | 33.5% |
給料が安い | 29.2% |
仕事量が多い | 27.7% |
労働時間が長い | 24.9% |
妊娠・出産 | 22.3% |
上位4件が「職場の人間関係」「給料が安い」「仕事量が多い」「労働時間が長い」となっています。
保育士ならではの職場環境、労働環境にまつわる理由で辞めてしまう人が多いようですね。
さらに、保育士を辞めたいと思う理由はこのような全保育士に共通する理由に加えて、新卒1年目ならではの理由や中堅保育士、ベテラン保育士、またフリーで働く保育士などそれぞれの立場特有の辞めたい理由があると思います。
ここでは「全保育士に共通するよくある辞めたい理由」と「新卒1年目によくある辞めたい理由」「中堅保育士によくある辞めたい理由」「ベテラン保育士によくある辞めたい理由」「フリー保育士によくあう辞めたい理由」について詳しく解説します。
また「保育士を辞めたい」と思っても、心身の不調などを除き、すぐに辞める決断をする方は少ないのではないでしょうか。
せっかく就いた保育士という職業です。実際に退職する前にできるそれぞれの理由に対する解決策についてもお伝えしていきます。
全保育士に共通するよくある辞めたい理由
まずは全保育士に共通するよくある辞めたい理由についてです。
平成30年度東京都保育士実態調査報告書によると、実際に保育士を辞めた人の理由としては職場環境にまつわるものが多いことがわかります。
具体的にどのような不満を持ちやすいのか、また今すぐ実行できる解決策について、「人間関係が悪い」「給料が低い」「仕事量が多すぎる」「労働時間が長い」の4つの項目に分けて詳しく解説していきます。
人間関係が悪い
保育士を辞めた理由で一番多いのが人間関係です。
保育士は複数担任でクラス運営をすることが多く、組む相手によって仕事の方法や保育観の合う合わないがあると思います。
1年間一緒に仕事をするのにやり方が合わないと、クラスの空気が悪くなったり、仕事自体がうまくいかなかったりと悩みが尽きませんよね。
また、保育園という特性上どうしても職場が閉鎖的になってしまうので、園の中で派閥ができてしまうことも少なくありません。
保育の仕事自体やることがたくさんあって大変なのに、人間関係でうまくいかないとなると多大なストレスを抱えてしまい、「辞めたい」となってしまうのもうなずけます。
人間関係で辛くなったときの解決策として、「仕事として割り切る」ことをおすすめします。
給料が低い
第3回 保育士等確保対策検討会の保育士等に関する関係資料によると、女性の全職種の平均賃金が約255万円に対し、保育士の平均賃金は約214万円で、約40万円の差があることがわかります。
園にもよりますが、長年勤めていてもなかなか昇給しなかったり、昇給したとしてもわずかだったりで給料が上がらないことを理由に辞めたいと思う保育士は多いです。
保育士の低賃金については、日本全体の保育士不足の原因になっていることもわかってきているので、処遇改善の制度ができました。
給料が上がらないから保育士を辞めたいと悩んでいる方はキャリアアップを目指し、このような制度を利用するのはいかがでしょうか。
仕事量が多すぎる
保育園は子どもたちが生活する場なので、朝から夕方、園によっては夜まで預かっているところもあるでしょう。
子どもがいる日中は一緒に遊んだり食事排泄などの援助をしたり、送迎の際は保護者対応をします。
子どもが帰った後は指導案やお便り作り、製作物の作成、行事の準備など仕事は盛りだくさんです。
特にモンスターペアレントなど保護者対応も年々難しくなってきているのが事実で保育士の仕事は増えることはあっても減ることはあまりありません。
そんな仕事量の多さに疲れ果てて辞めたいと思ってしまう保育士は多いです。
仕事量の多さを解決するには、複数担任でクラスを運営をしているなら、他の保育士と仕事を分担して進めてみるのはどうでしょうか。
コンサルタント
労働時間が長い
仕事量の多さに比例して労働時間は長くなるのは仕方ないですが、保育士の場合、日中は子どもをみないといけないので書類作りや製作物の準備に取り掛かれません。
そうなると子どもが帰った後に残って作業するか、家に持ち帰ってやらざるを得なくなります。
職場でも家でも仕事をしないといけなくてプライベートの時間を取ることができず、辞めたいと感じてしまうことが多いです。
するべき仕事がある限りなかなか労働時間を減らすことは難しいかもしれませんが、指導案作りでは時間を区切って仕事に取り組んだり、壁面飾りはラミネートで補強して使いまわしたりすることで時間を短縮することができるかもしれません。
新卒1年目によくある辞めたい理由
ずっと憧れていた保育士として働き始めた新卒一年目でも「辞めたい」と思う人は多いです。
実際に保育士の退職者のうち、1年目で辞める人は10%もいます。
『魅力ある職場づくり』に向けて)
ではどうして保育士として就職したのに短期間で辞めてしまう人が多いのでしょうか。
新卒1年目特有の理由について「理想と現実のギャップ」「保育の仕事に向いていない」の2点に分けて解説します。
理想と現実のギャップ
保育士1年目で辞めたいと思う理由として理想と現実のギャップがあります。
子どもが好きで保育士を目指し、理想の保育士像を持って就職したとしても、
- 子どもが全く言うことを聞いてくれない
- わからないことだらけなのに担任を持たされて毎日ばたばたしているうちに終わってしまう
- 毎日先輩保育士に怒られて委縮してさらに失敗してしまう
など、上手くいかないことだらけで辞めたいと思ってしまうようです。
どんな仕事もそうかもしれませんが、憧れていた職業に就くことができても、初めから理想通り仕事をこなすことは難しいです。
毎日毎日の保育をこなしていくことで経験を積んで子どものまとめ方やクラス運営の方法を学んでいけます。
保育士
保育の仕事に向いてない
子どもに怪我をさせてしまったり、対応のミスで保護者のクレームを招いてしまったりすると自分は保育士に向いていないんじゃないかと思ってしまうことがあると思います。
新人保育士は経験が少ない分、そういったトラブルも招きやすいですし、一つ一つの出来事のショックが大きく、すぐに辞めたいと感じてしまうことがあります。
保育士は専門職なので経験を積めば積むほど様々なことに対応する力もついてきますし、怪我を防ぐ方法や保護者への上手な対応の仕方も分かってきます。
保育士
中堅保育士によくある辞めたい理由
保育士として働き始めて数年、少しずつ仕事にも慣れてきて自分なりの保育観を持てるようになってくるのが中堅保育士です。
新人の頃とは違い、自分の保育に自信が出てくるようになっていることでしょう。
しかし、新人と呼ばれる頃を過ぎた3年目~9年目の間に辞めてしまう保育士は退職者のうち半数以上を占めています。
仕事に慣れてきながらも辞めたいと思ってしまう中堅保育士ならではの理由とは何でしょうか。
「後輩指導のストレス」「結婚出産など人生の転機」の2点に分けて解説します。
後輩指導のストレス
保育士になって数年経つと職場でも後輩ができ、先輩保育士として後輩の指導を任せられるようになります。
何とか自分の仕事をそれなりにこなせるようになった頃に任される後輩指導で、
- まだまだ自分の仕事で精一杯なのに
- どのように伝えればいいのかわからない
- 先輩と後輩の板挟みになって辛い
と悩み、辞めたいと感じてしまう方は多いのではないでしょうか。
そんな時は、無理をして指導のプレッシャーを背負うよりも、教えたり後輩と一緒により良い保育のやり方を考えたりする中で「一緒に成長していこう」という気持ちを持つと少し楽になると思います。
悩んだ時には、「もう新人じゃないのに」などと思わず、同僚や先輩に相談しましょう。
コンサルタント
結婚出産など人生の転機
保育士として中堅となる頃には20代中盤に差し掛かってきますが、その年代はちょうど結婚や出産の適齢期です。
時代は変わり、結婚や出産で退職する人は少なくなりましたが、ハードな保育士の仕事を結婚後、育児をしながらできるか不安に感じて退職しようか悩む方も多いと思われます。
どうしてもフルタイムで働くのはきついと感じるようでしたら、パートに変更できないか園長に相談することもおすすめです。
コンサルタント
ベテラン保育士によくある辞めたい理由
保育士を10年以上続けていれば保育の仕事の酸いも甘いも経験し、園の中でもベテランとして扱われるようになります。
ここまでくると、自分なりの保育観が確立され、園の中でも役職がついていたり自分のクラスのことだけでなく園全体のことを任されるようになってきたりしているでしょう。
ここでは、そんなベテラン保育士だからこそ辞めたいと思ってしまう理由を「仕事のマンネリ化」「仕事の責任が重い」の2点に分けて解説します。
仕事のマンネリ化
ベテランと呼ばれるまで保育士を続けていれば、仕事にはすっかり慣れ、毎年の行事もある程度そつなくこなしていけるようになっていることでしょう。
そんな風に同じ仕事を繰り返していく中で仕事のマンネリ化を感じ、このままでいいのだろうかと悩んで退職が頭をよぎってしまうことがあるようです。
ベテランになると園には後輩も多くいるので、後輩保育士の持っている新しい発想を柔軟に取り入れ、保育や行事の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
仕事の責任が重い
ベテランの保育士になるとそれなりの役職がついたり、園の運営に直接関わるような役割を果たしたりと仕事の責任はどんどん重くなっていきます。
ただでさえ命を預かる保育士の責任は重大ですが、それに加えベテランならではの責任も加わるとその重圧に辞めたいと考えてしまうのも仕方ありません。
しかし、ベテランともなると園長など園の上層部と直接仕事の条件や量などを交渉することもできるようになっていると思います。
給料の交渉をしてみたり、キャリアアップを図って手当をもらえるようにしたりして、責任に応じた待遇を得られるようになれば意欲を持って働けるのではないでしょうか。
フリー保育士によくある辞めたい理由
フリー保育士とは担当のクラスを持たず、日によって人手が足りないクラスの手伝いに入ったり行事の補助を担ったりと様々な役割をこなす保育士のことです。
パートやアルバイトの保育士が担当することが多いフリー保育士ですが、園によっては正規の職員が1年間フリー保育士として勤務することもあります。
そんな、クラス担任を持つ保育士とは少し違ったフリー保育士ならではの辞めたいと思う理由は何でしょうか。
「園での立ち位置がわからない」「雑用仕事が多い」の2点に分けて解説します。
園での立ち位置がわからない
フリー保育士は日によって入るクラスが違うので、それぞれのクラスの雰囲気がわからないまま保育を行うことになります。
午前中のクラスでしていた手伝いと同じことを午後に入ったクラスですると、担任の保育士からから手を出さないでと言われるなどなかなか自分の判断で動けないことが多々あると思います。
行事ではどのクラスを応援すれば良いかもあやふやで、園の中での自分の立場がつかめず悩んでしまうことも多いでしょう。
しかし、園の中でフリーで動くということは様々なクラスのやり方を間近で見られる経験となります。
雑用仕事が多い
保育士は仕事量がとても多く、その中には毎日の保育室の掃除、給食の机の配置、お昼寝の布団敷きなど雑用がたくさんあります。
人手が足りないクラスに派遣されるフリー保育士はどうしてもそういったなかなか手が回らない雑用仕事を任されることが多くなり、せっかく保育士になったのに子どもと関わることができないと失望し、辞めたいと感じてしまうようです。
しかし、雑用仕事も大切な保育士の仕事の一環であり、雑用仕事をしながら子どもに声をかけたり話をしたりと関わる機会もあるはずです。
もしかしたら担任とは違う保育士だからこそ見える子どもの姿もあるかもしれません。
コンサルタント
保育士を辞めたあとはどうする?
ここまで、よくある保育士を辞めたい理由について見てきました。
それぞれの理由に応じてすぐにできる解決策もお伝えしてきましたが職場環境について、自分一人の力で変えられる限界があるのは確かです。
どんなに自分の心持ちを変えても、仕事の工夫をしても「やっぱりもう続けられない!」「やっていられない!」と思うのであれば思い切って転職を考えていきましょう。
ここでは保育士が転職をするにあたっての選択肢について解説していきます。
保育士を続ける!他の園へ転職
今の保育園保育士を辞めたいけども、「保育の仕事は好き」「仕事自体にはやりがいがある」と感じている方は実は多くいるのではないでしょうか。
特に人間関係のこじれなど、保育の仕事自体と直接関係のないところに辞めたい理由がある場合、働く園を変えてしまえば解決することが多いです。
給料や仕事量、労働時間についても、近年保育士の労働環境の悪さは待機児童問題と相まって社会問題化しているので、多くの園で改善に向かっています。
保育は常に人手不足の業界でもあるので、少しでも実務の経験があれば転職先を見つけるのは比較的容易い傾向にあります。
なので「保育の仕事自体は続けていきたい」と感じている方は違う園に転職することがおすすめです。
違う園へ転職するにあたり、希望する条件(勤務地、雇用形態、給料、休日、残業の有無など)があると思います。
その際は、ぜひベスト保育、で求人を調べてみてください!
ご希望の勤務地やこだわり条件を入力するとあなたにぴったりの保育園を見つけることができます!
コンサルタント
保育士を辞める!保育士以外の仕事に挑戦
保育士として働いていて、もう保育士の仕事自体を辞めてしまいたいと感じている方もいるでしょう。
けれど今まで保育士の経験しかないと、他の仕事なんてできるの?と不安に思っている方は多いと思います。
実際、全く未経験の業種に転職するのならば年齢のことも考えてなるべく若いうちに行動を起こしたほうが職業選択の幅は広まります。
ここでは、保育士資格や今まで続けてきた保育の仕事の経験を少しでも生かせるような、保育士以外の仕事について紹介していきます。
保育士の資格を生かせる仕事
保育士資格を生かせる保育園保育士以外の仕事を3つ紹介します。
託児所
歯医者や美容院、商業施設などに設置された託児所です。保護者が用事を済ませている間に子どもの安全を確保し、遊びを提供します。
保育士資格は必須ではありませんが、有資格者や保育士業務の経験者は重宝されること間違いなしです。
ベビーシッター
ベビーシッターは依頼者である保護者が仕事や用事などで不在になる時に、依頼者の自宅で子どもを見る仕事です。
こちらも特に必須の資格はありませんが、保育士資格を持っていると信頼に繋がりますし、給料の賃金ベースがアップすることがあります。
学童保育
学童保育では学校の授業が終わった後に子どもが過ごす場所を提供します。
保育士資格は必須ではありませんが、有資格者は採用されやすい傾向にあります。
共働きの家庭が増えているので学童保育の需要も高まっており、求人も多くあります。
保育士の経験を生かせる仕事
保育士の仕事は子どものお世話以外にも保護者対応や指導案などの書類づくりなど多岐にわたります。
保育士の仕事の中で培った経験を生かせるような仕事を3つ紹介します。
接客業
保育士の仕事では対人面のスキルが必須です。保育士業務の中で培ったコミュニケーション力を使って接客業はいかがでしょうか。
テーマパークや子ども写真館などであれば子どもと接する機会も多く、さらに保育士の経験を生かせるはずです。
事務職
保育士は書類仕事が多くあります。最近ではワードやエクセルを使ってお便りや指導案作りをしている園も多いでしょう。
基本的なパソコン操作ができることをアピールして事務職に転職する道もあります。
保育士専門の人材会社
保育士の経験を生かして保育士専門の就職、転職サポートのお仕事はいかがでしょうか。
現場での経験を元にして、転職希望者の悩みや希望に寄り添ったアドバイスを提供できると思います。
円満退職に向けて
いざ転職することを決めたなら、今の仕事を辞めるための準備に取り掛かりましょう。
退職するならなるべく波風立たせず、円満に退職したいですよね。
ここでは保育士が円満退職するためのポイントとして、「年度途中でも大丈夫?おすすめの退職時期」「伝えやすい退職理由」「退職を切り出すタイミング」「退職までの過ごし方」の4点に分けて解説していきます。
コンサルタント
年度途中でも大丈夫?おすすめの退職時期
保育士に最も適した退職時期と言えば、もちろん「年度末」です。
1年の区切りである年度末で辞めれば、次のクラス編成には影響ありませんし、子どもや保護者とも切り良くお別れすることができます。
保育士
運動会や発表会など保育園には様々な行事がありますが、保育士はその行事に向けて数週間、長ければ数か月前から準備をしていきます。
そういった行事までの準備期間に辞めるのは子どもや保護者、他の保育士に大きな影響を与えかねません。
なので、どうしても年度途中に退職したい場合はなるべく大きな行事が終わったあとを目安に退職することを考えてみてはいかがでしょうか。
コンサルタント
伝えやすい退職理由
人間関係がこじれている、給料が低い、仕事が多い、様々な退職理由があるとは思いますがネガティブな理由をそのまま伝えてしまうのはあまりおすすめできません。
なぜなら、職場の文句を言っていると思われて退職までの期間働きづらくなってしまったり、「改善する」と言われて引き止められてしまう可能性があるからです。
退職を決意して伝えるということは固く心が決まっている状態だと思うので、前向きで、かつ引き止められない理由を伝えることをおすすめします。
- 他の仕事をしたい。転職先も決まっている。
- キャリアアップのために勉強をしたい。
- 結婚や妊娠、介護などで働けなくなった。
結婚や妊娠、介護などの理由は、園側は受理せざるを得ない理由なので引き止められることはないでしょうが、嘘をついてしまうとばれてしまう可能性があります。
ばれなかったとしても嘘をついてしまうと最後までもやもやを抱えて辞めることになってしまうので、本当の理由をなるべくポジティブに言い換えて伝えるようにしましょう。
コンサルタント
退職を切り出すタイミング
民法上は退職する2週間前には退職意思を伝えれば良いことになっていますが、有給の消化や引継ぎのことも考えて1カ月前には伝えた方が良いとされています。
しかし保育士という仕事の特性上、次年度の準備があるので次年度も勤務を継続するかの意思確認があるところが多いです。
年度末に退職を考えている方はそうった意思確認の場で伝えるのが良いでしょう。
意思確認のない園の場合も、年度末で退職するには半年前には伝えるなど園ごとに就業規則が定められています。
就業規則を確認の上、園長に伝えると良いでしょう。
伝える際はなるべく忙しい時間帯を避け、「お話したいことがあるのですが、お時間をいただけますか」と確認の上、2人きりの場で切り出すようにしましょう。
まずは園長に伝え、退職することが決定してから他の同僚に伝えるようにしましょう。
退職までの過ごし方
退職することが決定したあとの過ごし方は大切です。
退職日までは保育士としての責任があります。
「立つ鳥跡を濁さず」ということわざもありますが、辞めるからといって決して投げやりになったりせず、最終出勤日まで責任をもって業務を遂行することが円満退職に繋がります。
また、有給休暇は労働者の権利なのでなるべく消化できるよう園長などに相談しましょう。
コンサルタント
辞めたい気持ちは今後の働き方を考える良いチャンス
保育士は今も昔も女の子の憧れの職業ではありますが、人間関係の複雑さや労働環境の悪さで辞めたいと悩んでいる人は多いです。
辞めたいと感じたときに、今の園でできる限りの工夫をして悩みを乗り越えることもできますが、どうしても辞めたい気持ちが強いなら転職という選択肢もあります。
保育士の資格や経験があれば他の園への転職は比較的スムーズに進むでしょう。
保育士の仕事で必要なコミュニケーションや事務作業のスキルを生かして他業種への転職を考えることもできます。
辞めたいと思ったときは、保育士を続けたいのか、保育士自体を辞めたいのか、これからの働き方を考える良いチャンスです。
自分の気持ちに正直に向き合って今後のキャリアを考えていきましょう。