5歳児クラスの4月の月案を考えるポイントや参考にできる文例をまとめました。
文例は、ねらい、内容、環境構成および援助や配慮、家庭との連携、健康・安全・食育、保育士等の連携、反省・自己評価の7つの項目に分けて紹介します。
「どんなことを書けば良いかわからない」「文章が思いつかない」など月案作成で悩んでいる保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
5歳児・4月の月案を考えるポイント
うららかな春の陽気の中、保育園では新年度がスタートします。
5歳児クラスでは、園で一番のお兄さんお姉さんになった喜びや嬉しさから様々な活動に意欲的に取り組む姿が見られるでしょう。
年長児としての自覚や誇りを持ち、当番活動や年下の友達のお世話を張り切って行う子どもも多いかもしれません。
一方で、年長になったことにプレッシャーを感じたり環境の変化で心細くなったりする子どももいます。
意欲的な姿やできるようになったことはしっかりと褒めながらも、戸惑いや不安など気持ちの揺れを丁寧に受け止め、安定した情緒で過ごせるよう配慮していくことが大切です。
まずは一人ひとりが新しい環境に慣れ、見通しを持ちながら安心して過ごせるよう保育計画を立てていけると良いですね。
また、この時期は寒暖差や環境の変化からくるストレスで体調を崩しやすくなるので、体調の変化を見逃さないよう見守っていきましょう。
コンサルタント
前月の子どもの姿
4月の月案では「前月の子どもの姿」ではなく「4月初旬の子どもの姿」を書く園もあるでしょう。
ここでは3月や4月初旬の子どもの姿の文例を紹介します。
- 風の暖かさや花のつぼみの様子など春の気配に気付き、友達や保育士に話していた。
- 進級したことが嬉しく、5歳児クラスでの新しい生活に喜びや期待を抱いている様子が見られた。
- 友達と誘い合いながら、ごっこ遊びやドッヂボールなど好きな遊びを楽しんでいた。
【5歳児・4月】ねらいの文例
5歳児クラスの4月のねらいの文例を養護と教育に分けて紹介します。
【5歳児・4月】養護の文例
- 新しい環境や保育士に慣れ、安心して過ごせるようにする。
- 一人ひとりの欲求を満たし、安定した生活が送れるようにする。
【5歳児・4月】教育の文例
- 新しい生活の仕方がわかり、自分から率先して身の回りのことを行おうとする。
- 年長になったことを喜び、意欲的に活動に取り組む。
【5歳児・4月】活動内容の文例
5歳児クラスの4月の活動内容の文例を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【5歳児・4月】生活の文例
生命の保持
- 一人ひとりの生活リズムや体調を把握し、新しい環境で元気に過ごせるようにする。
- 十分に休息をとりながら、規則正しいリズムで健康に過ごす。
情緒の安定
- 様々な気持ちを優しく受け止め、応答的に関わりながら信頼関係を築いていく。
- 新しい保育室の使い方や物の位置を覚え、環境に慣れる。
【5歳児・4月】遊びの文例
健康
- 気温や体調に応じて自ら衣服を調節しようとする。
- 安全に気を付けながら遊具や用具を正しく使う。
人間関係
- 新しい保育士や友達に親しみを持って関わり、一緒に過ごすことを楽しむ。
- 新入園児や異年齢児に思いやりを持ったり優しく接しようとする。
環境
- 持ち物の始末や玩具の片付けを行い、物を大切に扱おうとする。
- 春の自然物に興味を持ち、調べたり遊びに取り入れたりする。
言葉
- 遊びや生活に必要な言葉が分かり、進んで使う。
- 保育士の話を最後まで聞き、理解して動く。
表現
- 友達と一緒に春の歌を歌ったり、リズムに合わせて体を動かしたりすることを楽しむ。
- 身近な材料を使って、自分なりのイメージを持ちながら描いたり作ったりすることを楽しむ。
【5歳児・4月】環境構成および援助と配慮の文例
5歳児クラスの4月の環境構成および援助と配慮を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【5歳児・4月】生活の文例
生命の保持
- 引き継ぎを丁寧に行い、一人ひとりの健康状態や性格をしっかりと把握した上で関わっていく。
- メリハリのある活動計画を立て、心身ともに十分な休息をとりながらゆったりと過ごせるようにする。
情緒の安定
- 進級に伴う喜びや戸惑い、緊張など様々な思いをしっかりと受け止めることで安定した情緒で過ごせるようにする。
- 保育室の使い方を知らせたり、自分で物の整理ができるように目印をつけたりすることで、新しい環境に慣れていけるようにする。
【5歳児・4月】遊びの文例
健康
- 自分で気付いて衣服の調節ができるよう、使いやすい場所に上着のラックを出しておく。
- 安全を意識しながら遊べるよう、子どもと一緒に遊具や用具の使い方を確認する。
人間関係
- 保育士や友達の名前を呼び合ったり相手のことを知るゲームを取り入れたりしながら、新しいクラスでの関わりを深められるようにする。
- 異年齢児と一緒に遊べる環境を作り、必要に応じて関わり方を伝えたり一緒に考えたりしていく。
環境
- 物の始末や管理の仕方を伝え、自分で出したり片付けたりできるようにする。
- 草花遊びや砂遊びができるように、カップやスプーンなど様々な素材を用意しておく。
言葉
- 保育士が挨拶する姿を見せることで子どもの言葉を引き出し、挨拶する気持ち良さを感じられるようにする。
- 話を最後まで聞く大切さや聞く時の姿勢を伝えていく。
表現
- 季節の歌や全身で表現したくなるようなリズミカルな曲を選んでおく。
- 必要に応じて手伝ったり励ましたりしながら、のびのびと表現できるように関わっていく。
【5歳児・4月】家庭との連携の文例
家庭との連携の文例を紹介します。
- 環境の変化から体調を崩しやすくなる時期なので、食事や睡眠を十分にとり、健康に気を付けて過ごせるよう意識してもらう。
- 園や家庭での様子を丁寧に伝え合いながら信頼関係を築いていく。
- 1年間の行事予定表を配布し、保護者参加行事への参加をお願いする。
【5歳児・4月】健康・安全・食育の文例
健康・安全・食育の文例を紹介します。
- 環境の変化から体調を崩したり情緒が不安定になったりする子どももいるので、日中の健康観察をしっかりと行う。
- 保育室や園庭の使い方を再確認し、ルールを守りながら安全に過ごせるようにする。
- 給食の配膳や片付けの仕方を知り、友達と協力して行う。
【5歳児・4月】保育士等の連携の文例
保育士等の連携の文例を紹介します。
- 前年度の担任から子どもの様子を引き継ぎ、一人ひとりの発達や性格をしっかりと把握した上で、個々に合った関わりができるようにする。
- 入園式の役割分担や5歳児クラスの参加方法などを話し合い、段取りよく準備を進める。
- 食物アレルギーの有無を確認し、園での対応方法を栄養士や調理員と共有しておく。
【5歳児・4月】反省・自己評価
反省・自己評価を記入する際のチェックポイントを紹介します。
- 新しい環境での不安や緊張を受け止め、一人ひとりに寄り添いながら、安心できる場作りや関わりができたか。
- 新しい保育室の使い方や物の場所を覚え、身の回りのことを意欲的に行っていたか。
- 年長になったことを喜び、新しい保育士や友達と関わって遊ぶことを楽しめたか。
文例を参考に5歳児・4月の月案を作成しよう
5歳児クラスの4月の月案作成に参考にできる文例を紹介しました。
憧れの年長クラスになった喜びや期待、環境の変化からくる不安や緊張など子どもたちの様々な気持ちに寄り添いながら、少しずつ新しい環境に慣れていけるよう配慮していきましょう。
新しい保育士やクラスの友達との繋がりを深めていけるよう、みんなで楽しめるゲームや活動を取り入れていけると良いですね。
保育計画を立てる際はクラスの子どもたちの様子を思い浮かべながら、どんな保育をしていきたいか考えてみましょう。
月案の文章に悩んだときは、ぜひ本記事で紹介した文例を参考にしてみてくださいね。