保育士の業種・職種とは?正式な記載方法やサービス業との違いについて紹介

保育士の業種・職種とは

転職活動や各種申請書類の記入の際、「職種」や「業種」を正確に書く必要がある場面があります。

しかし、「保育士」の業種や職種の正式な記載方法について迷った経験がある方も多いのではないでしょうか。

また、保育士の仕事が「サービス業」に該当するのかといった疑問を持つ方もいるでしょう。

本記事では、保育士の業種・職種の正しい書き方を詳しく解説すると同時に、保育士以外で保育に関わる仕事や転職活動に役立つポイントも紹介します。

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これから転職を考えている方や、業務内容の記載に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

保育士の職種・業種欄の正式な記入方法

保育士として転職活動を行う際や各種申請書類を記入する際、「職種」や「業種」を正確な記入が求められます。

ここからは、保育士の職種・業種欄の正式な記入についてそれぞれ解説します。

保育士の職種欄の正式な記入方法

保育士の職種は、主に「保育士」と記入します。

職種とは、業務内容によって分類された職業の名称を指します。

保育士は0歳から6歳までの子どもを保育する資格を持つ専門職であるため、転職活動や履歴書の職種欄に「保育士」と記載して問題ありません。

近年、男性保育士が増えたこともあり、「保母」という名称から「保育士」に職業名が変更されました。

ただし、オンラインフォームや選択式で職種欄に「会社員」や「サービス業」「自営業」「公務員」などの分類がされている場合があります。

このような場合は、「その他」を選ぶことで問題なく記入できます。

また、公務員保育士として公立保育園で働く場合は、「公務員」を選択しましょう。

職場 記入例
公立の働いている保育士 ・保育士
・公務員
病院で働いている保育士 ・院内保育士
・病棟保育士
・医療関係
社団法人で働いている保育士 ・団体職員

保育士の業種欄の正式な記入方法

保育士が記入する業種欄では、業界名を正確に記載する必要があります。

保育士が勤務する保育園は、厚生労働省が管轄する福祉施設であり、したがって業種欄は「医療・福祉業」または「福祉サービス」と記載するのが正解です。

これにより、保育士としての業界を適切に分類できます。

分類 分類項目
大分類 ・医療、福祉
中分類 ・医療業
・保健衛生
・社会保険、社会福祉、介護事業
小分類 ・児童福祉事業

一部の人が誤って「教育・学習支援業」を選択することがありますが、これは幼稚園などの教育機関で働く場合に該当する業種であり、保育園は文部科学省ではなく厚生労働省管轄なので注意が必要です。

業種欄に「医療・福祉業」や「福祉サービス」が見当たらない場合は、「その他」を選ぶと問題ありません。

保育士の業種はサービス業ではない

保育士の業種は、しばしば「サービス業」と間違えられることがあります。

しかし、保育士の業種は前述したとおり「児童福祉事業」に分類されます。

保育士の業種はサービス業じゃない理由

保育園は、保護者からの委託を受けて幼児や乳児を預かり、福祉サービスを提供する施設であり、金銭的な対価を目的としているわけではなく、福祉業としての役割を果たしているためです。

サービス業に間違えられる理由

保育士の業種が「サービス業」と誤解される原因として、認可外保育園や私営の認定こども園の増加が挙げられます。

これらの施設では、運営費が主に保育料から賄われており、利益を上げることが求められる場合もあります。

そのため、保育士がサービス業に似た対応を強いられることが多く、その結果、保育士が「サービス業」として認識されてしまうことがあります。

サービス業との違い

サービス業は、顧客のニーズに応じて商品やサービスを提供し、その対価を得る業種です。

サービス業の仕事は、顧客の要求に柔軟に対応することが求められ、提供する内容が無形であることが特徴です。

一方、保育士は子どもたちの成長を支援し、保護者と協力して子育てを行う仕事であり、その関係は「お客様」ではなく、協力者としての役割が強いです。

したがって、保育士は福祉業に分類され、サービス業とは本質的に異なります。

保育士に関連する職種

保育士資格を持つことで、保育園以外の職場でも活躍の場が広がります。

転職を考える際、保育士資格を活かせる職種について知っておくことは重要です。

保育士に関連する職種
  • ベビーシッター
  • 乳児院保育士
  • 医療保育士
  • こども園保育士

ここからは、保育士資格を活かせる主な職種を紹介します。

ベビーシッター

ベビーシッターは、依頼者の自宅や託児所で子どもを預かり保育を行う職種です。

特別な資格は必要ありませんが、保育士資格を持っていると信頼されやすく、有利に働きます。

ベビーシッターとして働くメリット
  • 個人で働ける
  • 1回の勤務が2~3時間前後
  • 保育人数が1~2人のため、子どもと向き合える時間が多い

しかし、勤務地が毎回異なることや、家事代行などの業務が含まれることもあります。

自分のペースで働きたい人や育児経験者に向いています。

乳児院保育士

乳児院保育士は、保護者が育児できない乳児を24時間体制で預かり、生活全般をサポートする職種です。

乳児院は医師や看護師、栄養士などと連携し、保育士は子どもの親代わりとして成長を見守ります。

乳児院保育士として働くメリット
  • 勤務場所が都度異なる
  • 乳児の成長を見守れる
  • 一般保育園の月収よりも高めに設定されている

この仕事は責任感が強く求められ、夜勤や土日勤務がある点がデメリットですが、やりがいのある職場です。

特に、乳児の育成に強い関心がある人に向いています。

医療保育士

医療保育士は、病院で入院中の子どもの世話や心理的ケアを行う職種です。

医師や看護師と協力し、子どもが退院するまでサポートを行います。

医療保育士になるためには保育士資格が必要で、医療保育専門士の資格を持っているとさらに有利です。

医療保育士として働くメリット
  • 子ども1人一人に向き合う時間がある
  • 残業・夜勤で働く機会が少ない
  • 他の保育士とは異なるキャリアを歩む

子どもとじっくり向き合える点が魅力ですが、子どもの命に関わる責任が伴うため、強い責任感が求められます。

こども園保育士

こども園は、保育と教育の両方を行う施設で、保育士資格と幼稚園教諭資格を併せ持っている場合が多いです。

こども園では、0~6歳の子どもたちと関わりながら、教育と保育の両方を担います。

保育士と幼稚園教諭としての両方の経験を積むことができ、業務量は多くなる可能性がありますが、幅広い子どもたちと触れ合える点が魅力です。

教育にも積極的に関わりたい人に適しています。

医療保育士として働くメリット
  • 保育士と幼稚園教諭の経験が同時に積める
  • 乳幼児を含む多くの子どもと関わる機会がある
  • 自身のコミュニケーション能力を鍛えれる

職業を問われて「保育士」と答えなくないときの受け答え方

職業を聞かれた際、保育士と答えることに抵抗を感じる人もいるでしょう。

特に子育て中の保育士は、周囲から「子育てが得意」「さすが保育士」といった期待を抱かれることが多く、プレッシャーを感じることもあります。

そんなとき、どのように受け答えすれば良いのか、いくつかの選択肢をご紹介します。

会社員

保育士として働いていることを伝えるのが気が引ける場合、株式会社が運営する保育園に勤務している場合は、「会社員です」と答えるのも一つの方法です。

これは、相手に過度な期待をかけられることなく、シンプルに自分の職業を伝えられます。

ただし、私立保育園のような場合は、「会社員」と言ってもすぐに疑問を持たれることもあるので、少し状況に応じて柔軟に対応した方がいいでしょう。

福祉関係

「どんな仕事をしているの?」と聞かれた際、あまり詳細に伝えたくない場合は、「福祉関係の仕事をしています」と答える方法もあります。

これは、保育士や介護など、福祉業に関連する仕事全般を含む表現です。

「福祉関係」と言うことで、相手にはおおまかな業務内容が伝わり、深掘りされにくくなります。

具体的な内容を避けたいときや、あまり細かく答えたくない場合に有効な答え方です。

保育士の業種・職種を正しく記入して転職活動を進めよう

保育士として転職活動を行う際、業種や職種を正しく記入することは非常に重要です。

保育士の業種
  • 児童福祉事業
  • 医療・福祉業
  • 社会福祉事業

転職先の企業や施設に応募する際には、これらの業種に基づいた正しい記入を心がけましょう。

特に、職種欄には「保育士」と記載することが基本ですが、選択式の項目に適当なものがない場合は、「その他」を選ぶのが適切です。

また、保育士はサービス業に分類されないため、職務内容欄や業種欄に「サービス業」と記載しないように注意が必要です。

併せて公的な書類を記入する際には、業種や職種を正確に記載しないと、誤解を招く恐れがあります。

転職活動を進める中で、自分が応募する職場や施設がどの業種に該当するかを理解し、書類を充実させることで、より効果的なアピールにつながります。