「保育士の経験を活かして異業種に転職したいけれど、何から始めればいいの?」
保育士
「保育士資格を活用できる職種や、成功しやすい転職のポイントを知りたい!」
保育士
こんな疑問を持つ保育士の方は多いでしょう。
保育士は、子どもたちと関わりながら培ったコミュニケーション能力や忍耐力、資格を活かして、幅広い分野で活躍できる可能性を秘めています。
しかし、具体的にどんな業種が向いているのか、転職活動でどのような準備をするべきか迷うこともあるでしょう。
この記事では、保育士から異業種への転職事情について紹介しながら、スキルや資格が活かせるおすすめの職種キャリアチェンジのメリット・デメリット、成功のためのコツ、そして退職時の注意点まで紹介します。
また保育士向け転職サイト・転職エージェントに関する情報は、こちらの記事にまとめています。
目次
保育士から異業種への転職はできる?
結論から言えば、保育士から異業種への転職は十分可能です。
厚生労働省の調査によれば、保育士として働いた経験を持つ人の約20%が転職に成功しており、異業種への転職を実現したケース※も少なくありません。
参照:独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター|平成 30 年度「保育人材」に関するアンケート調査結果 より
保育士の仕事は多くのスキルや経験を伴うため、これを活かせる職種や業界は想像以上に広がっています。
- 保育士の資格をそのまま活用できる教育・育児関連の職種
- コミュニケーション能力
- 接客業や医療・福祉業界で活かせる観察力など
これらの業界では、保育士としての経験が即戦力として評価されるため、未経験でも転職のハードルが低いのが特徴です。
一方で、保育士と関連性の少ない異業種を目指す場合、「未経験転職」となるため、難易度が高くなる可能性があります。
この場合、転職成功のカギは「しっかりした準備と対策」です。
例えば、職種に必要なスキルを学ぶ、保育士として得た能力を転職先の仕事でどう活かせるかをアピールするなど、具体的な取り組みが求められます。
つまり、保育士から異業種への転職は、自分の経験をどう活かすかを明確にすることがポイントです。
事前準備をしっかり整えることで、希望する職場・職種に転職できます。
保育士から同業種・異業種への転職難易度
保育士としてのキャリアを活かした転職を考える場合、その方向性によって難易度が大きく異なります。
例えば、同業種への転職は比較的スムーズに進む一方で、異業種への転職は準備や対策が必要になります。
ここからは、それぞれの転職パターンについて詳しく解説します。
保育士から同業種への転職難易度
保育士から再び保育士として働く場合の転職難易度は非常に低いといえます。
これは、保育士が慢性的な人手不足の状態にあるためです。
例えば、2017年時点の厚生労働省のデータによれば、保育士全体の離職率は約9.0%とされています。
この数値は、年間で約10人に1人の保育士が離職することを示しており、全産業平均の離職率(約14%)と比べると低い水準です。
これ自体は他職種と比較して特別高い数字ではありませんが、保育士の需要に対して供給が不足していることが問題となっています。
実際、令和6年度末までに約14万人分の保育受け皿を整備することを目標に掲げた「新子育て安心プラン」により、保育士の確保が全国的に推進されています。
この需要増を背景に、令和6年1月時点での保育士の有効求人倍率は3.54倍と、全職種平均の1.35倍を大きく上回っています。
この数字からも、保育士の需要の高さが明確です。
参照:厚労省|保育士の現状と主な取組より
また、保育施設側でも、経験を持つ保育士を積極的に採用する傾向があります。
参照:子ども家庭庁|保育士の有効求人倍率の推移より
すでに資格を持ち、実務経験のある求職者は、即戦力として重宝されやすいため、応募の際に高い競争率に悩むことは少ないでしょう。
求人の幅も広く、正社員だけでなく、パートや時短勤務といった柔軟な働き方が選べるのも特徴です。
コンサルタント
転職活動においては、応募書類の作成や面接対策のサポートを行う転職エージェントを活用することで、効率よく転職を進められます。
このように、保育士から同業種への転職は、比較的スムーズに進むと言えるでしょう。
保育士から異業種への転職難易度
保育士から異業種への転職は、一般的に難易度が高いとされています。
その主な理由としては、保育士の専門性や資格の特殊性が挙げられます。
- 保育士は子どもの発達や教育に特化したスキルが求められる職種であり、他業種では直接的に活用する機会が限られるため
- 保育士資格は保育業界で評価されやすい一方で、他の業界では重視されにくいため
- 一般的なPCスキルやビジネスマナーを業務中に身につける機会が少ないため
さらに、保育現場での業務経験はビジネスや他業界で必要とされるスキルとは異なるため、そのまま転用することが難しいと感じる人も少なくありません。
それでも、保育士としての経験やスキルを活かせる異業種も存在します。
たとえば、子育て用品メーカーや幼児教育関連のサービス企業では、保育士の知識や経験が重宝されます。
ただし、これらの職種は求人数が少なく競争率が高いため、準備と対策が必要です。
一方、全くの未経験分野に挑戦する場合は、事前にその業界で求められるスキルを学び、自身の強みをアピールしましょう。
厚生労働省のデータによると、保育士が転職する際、約30%が異業種に転職しています。
転職先 | 割合 |
---|---|
保育業界への転職 | 53.1% |
他業界への転職 | 30.0% |
他福祉業界の転職 | 16.9% |
参照:厚労省|保育士の現状と主な取組より
この事実は、しっかりと準備を重ねれば、異業種への転職も不可能ではないことを示しています。
転職エージェントなどのサポートを活用し、自分に合った求人や職場を見つけることで、スムーズにキャリアチェンジを実現できるでしょう。
保育士が同業種に転職するメリット
保育士として働き続けたいと考えつつも、新しい環境での挑戦を希望する方にとって、同業種への転職には多くのメリットがあります。
- 保育士としてのスキル・経験を活かせる
- 短期間で新しい職場に順応できる
- 業務への理解度が高まる
- 資格保有者として評価される
- 給与・年収UPに期待できる
ここからは、上記で挙げた5つのメリットについて詳しく解説します。
保育士としてのスキル・経験を活かせる
保育士として積み上げてきた経験やスキルは、同業種への転職で特に活かしやすいものです。
- 子どもの発達段階に合わせた対応力
- 保護者とのコミュニケーション能力
- イベントや行事の企画運営能力
同じ業界であれば、仕事内容に対する理解も深く、スムーズに適応できる点が大きなメリットです。
短期間で新しい職場に順応できる
保育施設から別の保育施設への転職であれば、業務の基本的な流れが似ているため、短期間で新しい環境に慣れるでしょう。
保育方針や職場文化の違いはあるものの、保育業務の基本を理解しているため、研修期間が短縮されるケースも多いです。
また、子どもたちや保護者との接し方にも慣れているため、転職先での信頼構築もスムーズです。
業務への理解度が高まる
別の保育施設で働くことで、これまでとは異なる保育方針や環境に触れる機会が得られます。
これにより、業界内での幅広い知識が身につき、自身のスキルアップやキャリア形成にもつながります。
新しい環境での経験は、保育業務に対する視野を広げるきっかけとなり、長期的な成長を支える要素となるでしょう。
資格保有者として評価される
保育士資格を持っていることは、新しい職場での採用時に大きな強みになります。
同じ保育業界での転職であれば、資格保有が必須条件となる場合が多く、その資格によって即戦力として期待されるでしょう。
特に、保育士不足が問題となっている施設では、資格保有者は貴重な人材として歓迎されます。
給与・年収UPに期待できる
保育士の給与は職場によって大きく異なりますが、転職によって待遇が改善する場合があります。
例えば、民間保育施設や福利厚生が整った法人運営の施設など、待遇が良い職場に移ることで、給与や年収が上がる可能性があります。
また、経験者としてのスキルをアピールできれば、交渉次第で初任給が優遇されることも期待できるでしょう。
【同業種への転職希望者向け】保育士におすすめの転職先
保育士が同業種内での転職を希望する場合、働く環境や求められるスキルに違いはあれど、資格や経験を活かして新たな職場で活躍できる選択肢が豊富にあります。
- 小規模保育園
- 病院内保育所
- 企業内保育所
- 児童養護施設
- 児童発達支援施設
- 母子生活支援施設
- 放課後等デイサービス
- 児童館
ここからは、同業種への転職を希望される方におすすめの転職先をいくつか紹介します。
小規模保育園
小規模保育園は、0歳~2歳児を対象にした定員19名以下の施設で、家庭的な環境で保育を行うのが特徴です。
事業型類型 | 対象年齢 | 定員数 | 配置基準 | 職員の資格 |
---|---|---|---|---|
A型 | 0~2歳児 | 6名から19名以下 | 保育所の配置基準+1名 | 保育士 |
B型 | 0~2歳児 | 6名から19名以下 | 保育所の配置基準+1名 | 1/2以上が保育士 |
C型 | 0~2歳児 | 6名から10名以下 | 0歳児から2歳児:職員(3:1) (家庭的補助者を置く場合:5:2) |
家庭的保育者 |
園児の人数が少ないため、個々の子どもと向き合う時間が増え、保育の質を高められます。
また、大規模保育園に比べて業務負担が軽減される場合が多く、行事前の準備や残業が少ない傾向にあります。
乳児保育に特化したい方や、「子どもとじっくり関わりたい」という思いがある方に適した環境です。
転職を検討する際は、地元の小規模保育園の求人を確認し、自身に合った職場を見つけると良いでしょう。
施設形態 | 月収 | 年収 |
---|---|---|
私立認可保育園 | 30.1万円 | 362.1万円 |
小規模保育園(A型) | 26.8万円 | 322.5万円 |
小規模保育園(B型) | 26.9万円 | 322.8万円 |
小規模保育園(C型) | 29.1万円 | 349.2万円 |
※地域や施設の規模によって変動
病院内保育所
病院内保育所は、病院で働く医師や看護師などの職員の子どもを預かる施設です。
一般的な保育園とは異なり、小規模かつ落ち着いた環境で保育を行うのが特徴です。
給与や福利厚生が病院の基準に基づいている場合もあり、高待遇が期待できる場合もあります。
- 正社員雇用:月額約20~26万円前後
- アルバイト・パート:時給約1,000~1,250円前後
医療関係者との連携が必要な場面もあるため、柔軟な対応力やコミュニケーション能力が求められますが、子どもたちの成長をじっくり見守りたい保育士にとっては魅力的な選択肢です。
企業内保育所
企業内保育所は、従業員の子どもを預かるための施設で、企業のオフィス内や併設施設に設置されているケースが多いです。
保育園特有の大きな行事(運動会やお泊まり会など)が少なく、業務負担が軽減されやすい環境です。
また、企業の定休日に合わせたシフトが組まれるため、土日休みが取得できる場合もあります。
子どもと向き合う時間を確保しながら、保育士としてのスキルを発揮したい方におすすめです。
中小企業の給料目安 | 大企業の給料目安 | |
---|---|---|
平均年収 | 約300~320万円 | 約392万円~620万円 |
平均月収 | 約20万円~26万円程度 | 約24万円~38万円 |
ボーナス額 | 約69万円 | 約69万円~200万円 |
参照:政府統計の総合窓口(e-Stat)令和4年賃金構造基本統計調査より
児童養護施設
児童養護施設は、1歳から18歳までの子どもたちが生活する施設で、主に日常生活の支援や学習サポートを行います。
保育士は、子どもたちの心理的なケアや生活支援を通して、健全な成長をサポートする重要な役割を担います。
- 児童指導員(民間施設):約250~450万円(平均350万円)
- 児童指導員(公立施設):約700万円
- 施設保育士:月額約20~25万円前後
- 保育士:月額約19~25万円
- 非常勤職員:時給1,200円前後
※地域や施設の規模によって変動
また勤務体制は24時間体制のシフト勤務が一般的で、家庭の問題を抱える子どもに寄り添う深い支援が求められるため、やりがいと同時に責任も伴う仕事です。
心理ケアに興味のある保育士に適した職場です。
児童発達支援施設
児童発達支援施設は、障がいのある未就学児の自立をサポートするための療育を行う施設です。
子ども一人ひとりのニーズに応じた個別支援計画を作成し、保護者と協力しながら生活や遊びの支援を行います。
障がい児療育に関心がある方や、専門性を高めたい方に適した職場です。また、保育士の資格を活かしながら新たなスキルを習得できる環境でもあります。
職種 | 平均年収 | 平均給与(手当・賞与含む) |
---|---|---|
施設長・管理者 | 約474万円 | 約39万円 |
児童発達支援管理責任者 | 約399万円 | 約33万円 |
看護職員 | 約483万円 | 約40万円 |
機能訓練担当職員 | 約342万円 | 約28万円 |
児童指導員 | 約283万円 | 約23万円 |
保育士 | 約325万円 | 約27万円 |
※地域や施設の規模によって変動
母子生活支援施設
母子生活支援施設は、生活困難な母子家庭を保護し、自立を支援する施設です。
保育士としての働き方には、子どもの保育を担う仕事と、母子支援員として母親の就労支援や生活相談を行う役割の2種類があります。
保育経験を活かしながら、母子家庭の新たなスタートを支える仕事は、深い信頼関係を築く機会が多く、やりがいを感じられる場面が多いでしょう。
- 月給約19~23万円前後※
- 賞与年2~3回※
- その他諸手当あり(通勤手当や住宅手当、扶養手当、時間外手当など)
給与・賞与回数・手当の内容は施設によって異なります。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障がいのある6歳から18歳の子どもたちの療育や自立支援を行う施設です。
長期的に子どもたちの成長を見守りながら、一人ひとりに合った支援を提供します。
- 管理者: 1人以上配置
- 児童発達支援管理責任者:1名以上配置
- 児童指導員又は保育士:障がい児10名までは2名以上を配置
日中の保育とは異なり、放課後の時間帯に活動が行われるため、働き方に柔軟性が求められる場合もありますが、療育に興味のある保育士にはやりがいのある職場です。
職種 | 平均年収 | 平均給与(手当・賞与含む) |
---|---|---|
施設長・管理者 | 約393万円 | 約33万円 |
児童発達支援管理責任者 | 約330万円 | 約27万円 |
看護職員 | 約358万円 | 約32万円 |
機能訓練担当職員 | 約265万円 | 約22万円 |
児童指導員 | 約259万円 | 約21万円 |
保育士 | 約271万円 | 約22万円 |
※地域や施設の規模によって変動
児童館
児童館は、放課後や長期休暇中に小学生以上の子どもたちを預かる施設です。
夏祭りやクリスマス会などの行事を企画・運営し、子どもたちが安心して楽しい時間を過ごせるよう支援します。
未就学児が中心の保育から転向することで、新たな経験を積むことができ、幅広い年齢層の子どもと関わりながら成長を支える仕事ができます。
- 正社員:月給20万円前後
- パート:時給約950~1,300円前後
※地域や施設の規模によって変動
【経験を活かした転職希望者向け】保育士におすすめの転職先
保育士の経験を活かし、より柔軟な働き方をしたい場合、いくつかの転職先があります。
- 子育て広場
- 本社勤務
- 幼児教室
- ベビーシッター
- ベビーホテル
- 託児スタッフ
- 保育ママ
ここからは、経験を活かした転職を希望される方におすすめの転職先をいくつか紹介します。
子育て広場
子育て広場は、0歳から小学校就学前までの子どもとその保護者が集まる場です。
保育士としての経験を活かし、保護者同士の交流を促進したり、育児相談に乗ったりする役割を担います。
全国各地の子育て支援センターで見られ、仕事の多くは定時勤務で、持ち帰り残業が少ないため、働きやすさが大きな魅力です。
家庭的な雰囲気の中で保護者の悩みに寄り添い、地域社会に貢献するやりがいがあります。
雇用形態 | 給与額(目安) |
---|---|
正社員 | 月額約21~26万円前後 |
アルバイト・パート | 時給1,100~1,200円前後 |
※地域や施設の規模によって変動
本社勤務
本社勤務では、保育園運営をサポートする仕事が中心で、保育士資格を活かしたデスクワークや人事関連業務を担当します。
例えば、採用や園内業務の調整を行い、保育士としての経験を生かしつつ、管理職としてキャリアアップを目指せます。
系列園で保育士として働くこともあり、保育の現場にも触れながら多様な業務をこなすため、働く場所や内容の幅が広い職種です。
雇用形態 | 給与額(目安) |
---|---|
総合職保育士 | 月額約20万円~22万円前後 |
アルバイト・パート | 時給1,000~1,200円前後 |
※地域や施設の規模によって変動
幼児教室
幼児教室は、英語、ダンス、音楽、など様々な分野で教える場です。
保育士経験を活かしつつ、特定のスキルを教えることで子どもの成長を支えられます。
特に、音楽や運動の指導に興味がある保育士には最適で、正社員やパートタイムとしての勤務が可能なため、ライフスタイルに合わせて働ける選択肢です。
講師・教室の種類 | 給与額(目安) |
---|---|
キッズアカデミーの講師 | 時給1,508円~2,800円前後 土日時給2,400円~2,800円前後 |
幼児教室の英語講師 | 時給1,000~1,200円前後 |
幼児教室インストラクター | 月給21.2万円~27.0万円前後 |
幼児スクール先生 | 時給1,000~1,200円前後 |
アルバイト・パート | 月給21.2万円~27.0万円前後 |
※地域や施設の規模によって変動
ベビーシッター
保育士として、家庭的な環境で子どもの世話をするベビーシッターも一つの選択肢です。
少人数の子どもを担当し、保護者のニーズに応じた柔軟な働き方ができるため、個別の事情に合わせて仕事を調整できます。
プライベートな空間で、親と密接に関わる保育が可能であり、自由な時間管理が可能なため、副業としてもおすすめです。
働き方 | 給与額(目安) |
---|---|
ベビーシッター登録会社に登録 | 時給900~1,800円前後 |
幼児教室の英語講師 | 時給1,000~1,200円前後 |
アルバイト・パート | 時給1,117円前後 |
派遣社員 | 時給1,000~1,200円前後 |
※地域や施設の規模によって変動
ベビーホテル
ベビーホテルでは、特に夜間や宿泊の保育を担当します。
主に0歳から6歳の子どもを預かり、食事や寝かしつけ、入浴のサポートを行います。
家庭的な環境での保育を提供しながら、夜勤手当や高給与を得ることができる可能性があるため、高収入を目指す保育士にとって魅力的な職場です。
託児スタッフ
託児スタッフは、保育園以外の施設で子どもを預かる仕事です。
ショッピングモールや美容室、病院など、普段の保育とは異なる環境で保育を行います。
様々な業界で働くチャンスがあり、場所によっては勤務時間も柔軟に調整できます。
託児所での経験は、他業界の知識も得られる貴重な経験となります。
保育ママ
保育ママは、家庭的な保育を提供するために認定された保育士です。
自宅や指定された施設で少人数の子どもを預かり、保護者と密接に連携しながら保育を行います。
自治体のサポートを受けて独立できる可能性もあり、独立して自分のペースで働きたい保育士にはぴったりの選択肢です。
保育士から異業種に転職するメリット
保育士として積み重ねてきた経験を活かしながら、異業種で新たな挑戦をすることには多くのメリットがあります。
- 給与・年収UPにつながる
- 仕事へのモチベーションが上がる
- シフト制から固定勤務になる
- 人間関係をリセットできる
- 新しいスキル・経験が診につく
保育士から異業種への転職は、これまでの経験を活かしつつ、新たな可能性を切り開く大きな一歩になる可能性があります。
ここからは、前述したメリットについて解説します。
給与・年収UPにつながる
保育士はその社会的意義の高さに反して、給与水準が十分とは言えない現状があります。
一方で、異業種への転職では、保育士として培ったコミュニケーション能力や問題解決力、チームワーク力が高く評価されることがあります。
特に営業職やカスタマーサポート職など、対人スキルを重視する職場では、即戦力として迎えられることが多いです。
その結果、基本給の向上や賞与の増額が期待でき、より安定した経済基盤が構築できます。
また、昇進やキャリアアップによる長期的な年収向上の可能性も広がります。
こうした待遇改善は、働く意欲を高める大きな要因となるでしょう。
仕事へのモチベーションが上がる
保育士の仕事は、子どもたちの成長を見守る喜びがある一方で、過重労働や職場の人間関係によるストレスが蓄積しやすい職種でもあります。
異業種へ転職することで、新しい職場環境でのチャレンジが前向きな気持ちを引き出し、仕事に対するモチベーションを向上させるきっかけとなります。
新しい業界での達成感や成功体験を積み重ねることで、自信とやる気を取り戻せます。
コンサルタント
新たな環境での学びは、自身の成長を感じることができるため、働く喜びを再発見する機会にもなります
シフト制から固定勤務になる
保育士の勤務は早朝から夜遅くまでのシフト制が多く、生活リズムが不規則になるケースが多々あります。
しかし、異業種では、9時から18時のような固定勤務の職場が選べます。
特に、オフィスワークやIT関連の職種の中には、規則的な勤務時間から自宅で教務に携われるリモートワークを採用している場合が多く、家庭やプライベートとの両立を図りやすくなります。
このような働き方は、心身の健康維持にもつながり、長期的に働きやすい環境を提供してくれるでしょう。
人間関係をリセットできる
保育士の職場では密なコミュニケーションが求められますが、場合によってはこれがストレスの要因となるケースもあります。
しかし、異業種に転職することで、これまでの人間関係を一度リセットし、新たな環境でゼロから構築するチャンスが得られます。
新しい職場では、多様な価値観やバックグラウンドを持つ人々との出会いがあり、新鮮な人間関係を楽しめます。
また、人間関係のストレスが減ることで、精神的な余裕が生まれ、仕事にも集中しやすくなるでしょう。
新しいスキル・経験が身につく
異業種への転職は、これまで保育士としては経験できなかった新しいスキルや知識を習得する良い機会です。
コンサルタント
例えば、IT業界ではプログラミングやデータ分析、マーケティング職では広告運用や市場調査など、具体的で実用的なスキルが学べます
こうしたスキルは、新しい分野でのキャリア形成を支えるだけでなく、自己成長や自信の向上にもつながります。
また、新たに得たスキルと保育士時代の経験を組み合わせることで、さらなる可能性を開くことができるでしょう。
【異業種への転職希望者向け】保育士におすすめの転職先
保育士の経験を活かしながら、異業種で新たなキャリアを築く選択肢は多岐にわたります。
- 一般事務
- 介護職
- 保育士養成校の講師
- 営業職
- IT関連職
ここからは、これまでのスキルを活かせる職種から全く新しい分野の職種について紹介します。
一般事務
一般事務は、安定した働き方を求める保育士経験者におすすめの職種です。
デスクワークが中心で、書類の作成やデータ入力、電話対応などを行います。
基本的なパソコンスキルがあれば未経験でも挑戦しやすく、正確さや丁寧さを求められる点では保育士時代の経験が役立つでしょう。
また、ICT化が進む業界では、効率的な情報処理が求められるため、ITツールに慣れている人にとってはスムーズに馴染める環境です。
ただし、人気の職種であるため、倍率が高くなることも多い点には注意が必要です。
介護職
介護職は、人の役に立つ仕事を続けたいと考える保育士にとって魅力的な選択肢です。
保育士と同じく福祉分野の仕事であり、相手に寄り添う姿勢やコミュニケーション能力が求められます。
介護業界は深刻な人手不足に直面しており、未経験でも積極的に採用されることが多く、資格取得の支援を受けられる場合もあります。
ただし、身体的にも精神的にも負担の大きい仕事であるため、興味や適性を確認した上で検討すると良いでしょう。
保育士養成校の講師
保育士の養成校で講師として働くことは、これまでの経験を存分に活かせるキャリアです。
大学や専門学校、短期大学などで保育士を目指す学生に指導を行います。
授業を通じて次世代の保育士を育てることは非常にやりがいがあり、教育に情熱を持つ方に向いています。
また、講師としての活動は、自身の知識やスキルの再確認や向上にも繋がるため、保育士経験をさらに発展させたいと考える人にとって理想的な選択肢です。
営業職
営業職は、保育士として培ったコミュニケーション能力を活かせる異業種の一つです。
顧客との信頼関係を築く力や柔軟な対応力が求められる点で、保育士のスキルと共通する部分が多いです。
また、保育士としての対人スキルは営業先でのプレゼンテーションや交渉の場面でも役立ちます。
一方で、体力やメンタルの強さが必要とされる職種でもあるため、チャレンジ精神を持つ人におすすめです。
営業経験は将来的なキャリアチェンジにも有利に働くでしょう。
IT関連職
IT関連職は、特にパソコンスキルがある保育士にとって魅力的な選択肢です。
近年、IT業界では人材不足が続いており、未経験者にも門戸が開かれています。
保育士時代に培ったドキュメント作成やデータ管理のスキルが活かせる場面も多くあります。
また、プログラミングやデータ分析などの専門知識を学べば、高い収入やリモートワークの可能性が広がる点も魅力です。
「人間関係に疲れた」と感じる人にとっては、人と接する機会が少ない職場を選べる点が安心材料になるでしょう。
保育士から異業種への転職で苦労すること
保育士から異業種への転職は、新たな可能性を広げる反面、さまざまな課題や困難が伴います。
- 新しい業務知識・スキルの習得に時間がかかる
- 新しい職場環境・雰囲気に慣れるまで時間がかかる
- 新しい悩みや不安が募る
- 年収ダウンにつながる可能性がある
- 年齢が上がるにつれて採用されにくくなる
子からは、転職時に直面しやすい具体的な苦労を5つのポイントに分けて解説します。
コンサルタント
異業種転職は新しい挑戦を伴いますが、その一方で多くの困難が待ち受けています。
これらの課題を十分に理解し、準備を怠らないことが成功への第一歩と言えるでしょう。
新しい業務知識・スキルの習得に時間がかかる
異業種への転職では、未経験から新しいスキルや業務知識を一から学ぶ必要があります。
保育士の仕事で培ったスキルは役立つ場面もありますが、特定の業界では業界知識や技術が求められ、慣れるまで時間がかかることが多いです。
コンサルタント
たとえば、IT業界ではプログラミングやデータ分析の知識が必要であり、これらを独学や研修で学ぶ努力が求められます
この学習期間中、成果が出ないもどかしさを感じることもあるでしょう。
新しい職場環境・雰囲気に慣れるまで時間がかかる
異業種への転職後、職場環境や文化が保育現場とは異なるため、順応に苦労する場面があります。
特に、企業独自のルールや職場の雰囲気に馴染むまでストレスを感じることもあります。
また、保育士ではあまり求められなかったビジネスマナーや文書作成能力が必要となる場面もあります。
この適応期間中、他の社員とのコミュニケーションやチームでの協働の難しさに苦労するでしょう。
新しい悩みや不安が募る
異業種に転職しても、すべての問題が解決するわけではありません。
新たな環境での責任やプレッシャーが生じたり、思うような成果が上げられないことから悩みが生まれる場合があります。
また、期待していた以上に仕事のやりがいを感じられず、「本当にこの仕事が自分に合っているのか」と不安を抱くことも少なくありません。
年収ダウンにつながる可能性がある
異業種への転職が未経験の分野である場合、給与や待遇が一時的に下がる可能性があります。
特に、初めの数年はスキルや経験の蓄積期間とされ、前職よりも低い給与からスタートするケースが多いです。
また、研修期間中はアルバイトや契約社員として働く場合もあり、その間の収入が不安定になる可能性があります。
このような収入面の不安定さが、転職後の生活に影響を与えることがあります。
年齢が上がるにつれて採用されにくくなる
保育士から異業種へ転職する場合、年齢が上がるほど採用のハードルが高くなります。
多くの企業では、未経験者には若手を採用する傾向があり、年齢が高いと転職市場での競争が厳しくなる可能性があります。
特に、未経験歓迎の求人が少ない職種や、高度なスキルが求められる業界では年齢がネックになることが考えられます。
転職活動を始めるタイミングは早めに検討しましょう。
保育士から同業種・異業種への転職を成功させるポイント
保育士から同業種や異業種への転職を成功させるには、事前の準備が非常に重要です。
- 転職したい理由を明確にする
- 希望する職種で求められる経験・スキルを洗い出す
- 転職エージェント・コンサルタントに相談する
上記3つのポイントを押さえておくことで、転職活動を効率的に進め、希望する職場で働くチャンスを広げられます。
転職したい理由を明確にする
転職活動を始める前に、なぜ転職したいのかを明確にしましょう。
- 転職活動の軸がぶれる
- 面接時に説得力を持って退職理由を伝えるのが難しくなる
また、転職理由を整理する過程で、「他の保育園への転職で解決する問題なのか」や「異業種へ挑戦する必要があるのか」を冷静に判断できます。
たとえば、保育士特有の長時間労働や人間関係が原因なら、働き方改革を進める保育園への転職が解決策になる場合もあります。
一方で、スキルアップや収入アップを目指す場合は、異業種への転職が視野に入るでしょう。
希望する職種で求められる経験・スキルを洗い出す
希望する職種でどのような経験やスキルが必要とされているかを事前にリサーチしましょう。
その過程で、自分の強みを活かせる分野や不足しているスキルを明確にできます。
職種 | 求められるスキル・経験 |
---|---|
IT系 | ・基本的なパソコン操作 ・AIツールのスキル ・Webサイト制作の知識など |
営業職 | ・基本的なパソコン操作 ・コミュニケーション能力 ・対人スキル |
一般事務職 | ・基本的なパソコン操作 対人スキル ・コミュニケーション能力 ・会計スキルや帳簿作成の方法など |
児童館 | ・児童福祉の基礎知識 ・行事やイベントの企画力 ・小学校の授業内容 |
ベビーシッター | ・応急処置や心肺蘇生法 ・掃除や洗濯などの家事スキル ・ベビーシッターに関する民間資格 |
これらをリスト化して比較すると、目標に向けた準備が具体的になります。
特に、未経験の分野へ転職する場合は、独学や講座を活用してスキルアップを図ることで、内定獲得の可能性を高められます。
転職エージェント・コンサルタントに相談する
転職活動を効率よく進めるためには、転職エージェントやコンサルタントの利用がおすすめです。
特に異業種への転職を目指す場合、自力では見つけにくい求人情報を提供してもらえるだけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、企業との交渉といったサポートも受けられます。
また、自分では気づきにくい適性や市場価値を分析してもらうことで、理想の職場とのマッチングがスムーズになります。
休日出勤や持ち帰り業務で時間が限られている保育士には、特に有効な選択肢です。
コンサルタント
以上のポイントを押さえて転職活動に臨めば、保育士としての経験を活かしつつ、自分に合った働き方を実現できます。
保育士からの転職に関する質問
保育士は専門性が高い職種ですが、働き方や将来を考える中で転職を希望する方も増えています。
ここでは、保育士の転職に関するよくある疑問を解説します。
保育士の転職理由で多いものは?
保育士が転職を考える主な理由として、勤務条件や職場環境が挙げられます。
厚生労働省の調査によると、以下のものが明けられます。
- 勤務条件(休日や勤務時間): 28.3%
- 職場環境(人間関係や雰囲気):25.3%
- 給与が低い:18.9%
- 仕事のやりがい・適性問題:15.7%
- 通勤の負担や家庭との両立問題:14.6%
参照:厚生労働省|保育所・認定こども園の人材確保および処遇改善に関する調査結果より
これらの理由を整理することで、自分に合った転職先を見つけやすくなります。
たとえば、ワークライフバランスを重視するなら、勤務時間が安定した職場を優先するのが良いでしょう。
保育士から異業種への転職は難しい?
保育士から異業種への転職は可能ですが、成功させるには計画的な準備が必要です。
保育士として培ったコミュニケーション能力や問題解決力、対人スキルは、多くの職種で活かせます。
たとえば、営業職やカスタマーサポート、人材育成の分野でそのスキルが求められることがあります。
また、保育士特有の子育てや教育に関する知識は、子ども向け商品の企画やマーケティング、教育関連の企業でも役立ちます。
未経験分野への挑戦には、不足しているスキルを補うための学習や資格取得が有効です。
保育士が転職する上で取得しておきたい資格はある?
転職を有利に進めるためには、保育士経験を活かせる資格の取得がおすすめです。
- リトミック教育やモンテッソーリ教育などの指導法に関する資格
- 食育スペシャリストや幼児食ベーシックといった食育系資格
- 救命技能認定やベビーシッター資格など
また、IT系や事務職への転職を目指す場合は、パソコン関連資格の取得も有効です。
ただし、資格を取得する際は、希望する職種や企業が求めるスキルと合致しているかを確認することが重要です。
保育士の転職に向いている時期はある?
保育士の転職に適した時期としては、9月から翌年3月にかけてが挙げられます。
この期間は、翌年度の4月入職を前提に求人が活発化するため、転職活動がスムーズに進みやすい時期です。
特に1月から3月にかけては、多くの施設や事業所が新年度に向けた人材確保を行うため、求人が増える傾向があります。
転職を検討する場合は、前年度の秋ごろから計画を立て、転職意思を人事や関係者に伝えるなど、準備を進めることが大切です。
計画的な行動が理想の転職先を見つける鍵となります。
保育で培ったスキル・経験は異業種転職でも活かせる
保育士として積み重ねたスキルや経験は、異業種への転職でも大いに役立ちます。
一見、保育と関係ないように見える職種であっても、保育の現場で培った能力は、さまざまな業界や職種で高く評価される要素です。
たとえば、保育士が身につけたコミュニケーション能力は、相手の立場に立って状況を理解し、的確に対応する力として営業職やカスタマーサポートの分野で役立ちます。
また、子どもの発達や行動を見守る中で培われた観察力や問題解決力は、事務職やマーケティング業務などでも有効です。
異業種転職において重要なのは、保育士としての経験をどのように新しい職場で活かせるかを自分自身で理解し、それを採用担当者に伝えましょう。