1歳児クラスの4月の月案を考えるポイントや参考にできる文例をまとめました。
文例は、ねらい、内容、環境構成および援助や配慮、家庭との連携、健康・安全・食育、保育士等の連携、反省・自己評価の7つの項目に分けて紹介します。
「どんなことを書けば良いかわからない」「文章が思いつかない」など月案作成で悩んでいる保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
1歳児・4月の月案を考えるポイント
うららかな春の陽気の中、保育園では新年度がスタートします。
この時期の1歳児クラスでは、入園や進級に伴う環境の変化に戸惑ったり不安定になったりする姿が見られるでしょう。
特に新入園児は、初めて保護者と離れて過ごす不安や寂しさから登園時に泣いてしまう子どもがほとんどかもしれません。
一人ひとりが無理のないペースで園生活に慣れていけるよう、保育士が子どもの気持ちを優しく受け止め、ゆったりと関わることが大切です。
また、年度初めは子どもたちだけでなく保護者も不安を抱えやすい時期です。
園生活に安心感を持ってもらえるよう、送迎時や連絡帳を通して日中の様子を詳しく伝えたり不安や心配事に寄り添ったりしながら丁寧に信頼関係を築いていけると良いですね。
寒暖差や環境の変化からくるストレスで体調を崩しやすくなるため、体調の変化を見逃さないよう見守っていきましょう。
コンサルタント
前月の子どもの姿
4月の月案では「前月の子どもの姿」ではなく「4月初旬の子どもの姿」を書く園もあるでしょう。
ここでは3月や4月初旬の子どもの姿の文例を紹介します。
- 新入園児は保護者から離れる寂しさや不安から泣いてしまう子どもが多く、在園児も新しい環境への戸惑いから保育士に甘える姿が見られた。
- 不安な中でも保育士と触れ合いながら心を落ち着けた後は、興味のある玩具で遊んだり園庭を散歩したりすることを楽しんでいた。
- 食事では、手づかみやスプーンを使って自分で食べたり保育士に食べさせてもらったりしていた。
【1歳児・4月】ねらいの文例
1歳児クラスの4月のねらいの文例を養護と教育に分けて紹介します。
【1歳児・4月】養護の文例
- 気温に合わせて室温や衣服を調節しながら快適に過ごせるようにする
- 一人ひとりの気持ちを十分に受け止め、新しい環境に安心感を持てるようにする。
【1歳児・4月】教育の文例
- 保育士に見守られながら好きな遊びや探索活動を楽しむ。
- 保育士とのスキンシップや簡単なやり取りを喜び、親しみを持って関わる。
【1歳児・4月】活動内容の文例
1歳児クラスの4月の活動内容の文例を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【1歳児・4月】生活の文例
生命の保持
- 一人ひとりの発達に合わせた援助をしながら生活リズムを整えていく。
- 保育士に抱っこされたり体に触れてもらったりして安心して眠る。
情緒の安定
- 保育士とゆったりと関わりながら新しい環境に慣れていく。
- 特定の保育士に甘えや生理的欲求を満たしてもらい、信頼関係を築いていく。
【1歳児・4月】遊びの文例
健康
- おむつを交換してもらったり、保育士に誘われておまるやトイレに座ったりする。
- 戸外で遊んだり散歩したりすることを喜ぶ。
人間関係
- 保育士や友達とのスキンシップや関わりを喜ぶ。
- 保育士に抱っこを求めたり甘えたりして安心して過ごす。
環境
- 探索活動を楽しみ、好きな玩具や場所を見つけて遊ぶ。
- 自然物に触れたり砂場で遊んだりしながら戸外遊びを楽しむ。
言葉
- ゆったりとした雰囲気の中で絵本やパネルシアターを見ることを楽しむ。
- 簡単な言葉や身振りで保育士に思いを伝えようとする。
表現
- 保育士と一緒に季節の歌を歌ったり手遊びをしたりすることを喜ぶ。
- 音楽に合わせて手を叩いたり体を動かしたりすることを楽しむ。
【1歳児・4月】環境構成および援助と配慮の文例
1歳児クラスの4月の環境構成および援助と配慮を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【1歳児・4月】生活の文例
生命の保持
- 新入園児や在園児、月齢などに応じて活動内容を設定し、一人ひとりの様子や発達に合わせて無理なく生活リズムを整えていく。
- 一人ひとりの入眠の仕方やタイミングを把握し、それぞれに合った関わりで安心して眠れるようにする。
情緒の安定
- ゆったりとした活動計画を立て、保育士とスキンシップを十分にとりながら安心感を持って過ごせるようにする。
- 生活面の援助を特定の保育士が担当することで、一対一で信頼関係が築けるようにする。
【1歳児・4月】遊びの文例
健康
- 優しく言葉をかけながらおむつ交換をしたり、便座に座れた時や排泄ができた時には十分に褒めたりしていく。
- 安全に遊べるよう、園庭や散歩コースに危険な物がないか確認しておく。
人間関係
- 「バスにのって」や「きゅうりができた」などの保育士や友達と楽しめる触れ合い遊びを取り入れていく。
- 保育士に安心感を抱けるよう優しく名前を読んだり抱っこなどのスキンシップを積極的にとったりしながら関わっていく。
環境
- 好きな遊びを見つけて集中している時はそっと見守り、子どもからの関わりに応えていく。
- 草花の様子を知らせたり一緒に砂場遊びをしたりしながら楽しさに共感していく。
言葉
- 簡単なやり取りがができたり身近な物を題材にした絵本やパネルシアターを選んでおく(『おべんとうバス』『いないいないばあ』等)
- 子どもの表情や動作から思いを汲み取り代弁していく。
表現
- 季節の歌や手遊びは繰り返し行い、親しみを持って十分に楽しめるようにする。
- 保育士が音楽に合わせて楽しそうに体を動かす姿を見せることで、子どもたちの意欲を引き出していく。
【1歳児・4月】家庭との連携の文例
家庭との連携の文例を紹介します。
- 送迎時や連絡帳を通して園での様子を詳しく伝えたり、不安や悩みをしっかり受け止めたりしながら保護者との信頼関係を築いていく。
- 生活面の援助は園と家庭で同じ関わりができるように、一人ひとりの食事や排泄の発達の様子を共有していく。
- 持ち物や衣服には全て記名してもらうようお願いする。
【1歳児・4月】健康・安全・食育の文例
健康・安全・食育の文例を紹介します。
- 寒暖差が大きいので、状況に合わせて室温や衣服を調節しながら健康に過ごせるようにする。
- 手にしたものを口に入れたり危ないところに登ったりしないよう、一人ひとり動きに十分目を配り、安全な環境を整える。
- 友達や保育士と一緒にあたたかい雰囲気の中で食事をする。
【1歳児・4月】保育士等の連携の文例
保育士等の連携の文例を紹介します。
- 生活面では一人ひとりの様子に合わせた援助ができるよう、関わり方を担任同士で話し合い共有しておく。
- スムーズに園庭へ出られるように戸外遊びの際の役割分担を決めておく。
- 子どもの居場所や遊びを把握し、声を掛け合いながら安全に遊べるようにする。
【1歳児・4月】反省・自己評価
反省・自己評価を記入する際のチェックポイントを紹介します。
- 新しい保育士や環境に慣れ、機嫌よく過ごすことができたか。
- 一人ひとりに合わせた援助で生活リズムを整えていくことができたか。
- 好きな遊びを見つけたり探索活動を楽しんだりすることができたか。
文例を参考に1歳児・4月の月案を作成しよう
1歳児クラスの4月の月案作成に参考にできる文例を紹介しました。
新しい環境に無理なく慣れていき、安心して生活を送れるよう、ゆったりとした温かな関わりを意識しましょう。
不安や寂しさなど子どもたちの気持ちを優しく受け止め、愛情深く関わりながら信頼関係を築いていくことが大切です。
保育計画を立てる際はクラスの子どもたちの様子を思い浮かべながら、どんな保育をしていきたいか考えてみましょう。
月案の文章に悩んだときは、ぜひ本記事で紹介した文例を参考にしてみてくださいね。