1歳児クラスの3月の月案を考えるポイントや参考にできる文例をまとめました。
文例は、ねらい、内容、環境構成および援助や配慮、家庭との連携、健康・安全・食育、保育士等の連携、反省・自己評価の7つの項目に分けて紹介します。
「どんなことを書けば良いかわからない」「文章が思いつかない」など月案作成で悩んでいる保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1歳児・3月の月案を考えるポイント
暖かな日差しに春の訪れを感じられる3月は、外遊びや散歩など戸外での活動が増える時期でしょう。
1歳児クラスでも、子どもたちが春の草花や虫に興味が持てるよう、近くの公園へ出かけたり園庭を散歩したりしながら楽しく過ごしていきたいですね。
来月には2歳児クラスに進級し、子どもたちを取り巻く環境や生活が大きく変わります。
スムーズに新しい環境に移行することができるよう、2歳児クラスの保育室で過ごしたりトイレを使用したりする機会を持つと良いでしょう。
また、年度替わりの時期には合同保育を取り入れる園もあるかもしれません。
職員同士で連携しながら、子どもたちが安心して過ごせるよう生活の流れや遊びを計画しておきましょう。
コンサルタント
前月の子どもの姿
まずは前月の子どもの姿の文例を紹介します。
- インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行り、欠席する子どもが複数いた。
- 簡単な身の回りのことを「自分でしたい」気持ちが強くなり、保育士が手伝うことを拒むことが増えてた。
- 自分から友達に近づいて笑い合ったり同じ遊びを楽しんだりしていた。
【1歳児・3月】ねらいの文例
1歳児クラスの3月のねらいの文例を養護と教育に分けて紹介します。
【1歳児・3月】養護の文例
- 気温差に気を付け、個々の体調を把握しながら健康に過ごせるようにする。
- 一人ひとりの思いを受け止め、安心感を持って意欲的に過ごせるようにする。
【1歳児・3月】教育の文例
- 自分でする喜びを感じながら簡単な身の回りのことを自分でしようとする。
- 保育士の仲立ちにより、友達と触れ合ったり関わったりすることを喜ぶ。
【1歳児・3月】活動内容の文例
1歳児クラスの3月の活動内容の文例を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【1歳児・3月】生活の文例
生命の保持
- 寒暖の差に気を付けながら一人ひとりが健康で快適に過ごせるようにする。
- 自分で手を洗ったり拭いたりしようとする。
情緒の安定
- 進級することを喜び、意欲的に生活する。
- できるようになったことを褒めてもらい、自信を持って過ごす。
【1歳児・3月】遊びの文例
健康
- 戸外で春の空気を感じながら散歩や探索活動を楽しむ。
- 排尿したことを伝えたり、保育士と一緒に後始末をしようとしたりする。
人間関係
- 保育士の仲立ちで、順番を守ったり待つことを知る。
- 保育士や友達、異年齢児と触れ合って遊ぶことを楽しむ。
環境
- 春の花や虫に興味を持ち、見つけた喜びを保育士や友達と共有する。
- ひな祭りの行事に喜んで参加し、歌を歌ったりゲームをしたりしながら楽しく過ごす。
言葉
- 保育士や友達と簡単な言葉のやり取りをしながらごっこ遊びや見立て遊びを楽しむ。
- 「貸して」「どうぞ」「ありがとう」など遊びの中で必要な言葉を知り、使ってみようとする。
表現
- 音楽やリズムに合わせて自分の好きなように体を動かして表現することを喜ぶ。
- お絵描きや粘土遊びをすることを楽しむ。
【1歳児・3月】環境構成および援助と配慮の文例
1歳児クラスの3月の環境構成および援助と配慮を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【1歳児・3月】生活の文例
生命の保持
- 換気を十分に行いながら気温差や体調に応じて室温や湿度の調節をする。
- 自分でしようとする姿を見守りながら、水の出す量や洗い方、拭き方を繰り返し伝えていく。
情緒の安定
- 進級を楽しみにできるよう、2歳児クラスの部屋で遊んだり生活する機会を持つ。
- 意欲的に取り組む姿を認めながら、励ましたり褒めたりしながら自信を持てるように関わっていく。
【1歳児・3月】遊びの文例
健康
- 散歩に出る際には季節を感じられるような公園やコースを選ぶようにする。
- 個々の排尿タイミングを見計らってトイレに誘うようにし、成功体験を多く持てるようにする。
人間関係
- 滑り台などの大型遊具で遊ぶ際は必ず保育士が側につき、順番を守ることや待つこと知らせながら危険がないよう見守るようにする。
- 異年齢児と関わる機会を作り、「なべなべそこぬけ」や「ロンドン橋」など一緒に楽しめる触れ合い遊びを取り入れていく。
環境
- 保育士も一緒に春の自然を探す中で、子どものつぶやきに丁寧に応じ、共感したり周りに知らせたりして興味を持てるように関わる。
- 行事に喜んで参加できるよう、ひな祭りの絵本読んだり簡単な製作をしたりする。
言葉
- 保育士も一緒にごっこ遊びや見立て遊びを行い、遊びのイメージが膨らむ声かけをしたりやり取りを楽しめる雰囲気を作ったりする。
- 玩具のやり取りの際には双方の思いを汲み取りながら代弁すると同時に、やり取りの仕方を伝えていく。
表現
- 音楽に合わせて自由に動き回って表現遊びを楽しめるように、物を片付けて広いスペースをとったり遊戯室を使用したりする。
- お絵描きに使う画用紙は、子どもが扱いやすい大きさに切って用意しておく。
【1歳児・3月】家庭との連携の文例
家庭との連携の文例を紹介します。
- 日中は暖かくなってくるので、調節しやすい薄手の上着を用意してもらう。
- 進級に向けての準備物や2歳児クラスでの生活について伝え、安心して進級を迎えられるようにする。
- 一年間の保護者の協力や理解に感謝の気持ちを伝える。
【1歳児・3月】健康・安全・食育の文例
健康・安全・食育の文例を紹介します。
- 気温差が大きくなる時期なので一人ひとりの体調にしっかりと気を配り、必要に応じて衣服の調節を行う。
- 大型遊具など高いところに登ろうとするときは、手でしっかり握ることや足のかけ方を知らせながら安全に遊べるように見守る。
- 保育士や友達と楽しく食事をする中で、正しい椅子の座り方やスプーンの持ち方などを身に付けていく。
【1歳児・3月】保育士等の連携の文例
保育士等の連携の文例を紹介します。
- 2歳児クラスと交流したり、2歳児クラスの保育室を使ったりできるよう連携をとっておく。
- 来年度の担任に引き継げるよう、一年間の子供の成長や発達をクラス担任間で話し合いまとめておく。
- ひな祭り会やお別れ会などの行事の準備や役割分担を話し合っておく。
【1歳児・3月】反省・自己評価
反省・自己評価を記入する際のチェックポイントを紹介します。
- 戸外に出て春の気候を感じながら散歩したり遊んだりする機会を積極的に持つことができたか。
- 身の回りのことに意欲的に取り組もうとする姿を認め、自信に繋げていくことができたか。
- 友達や異年齢児と関わったり触れ合って遊ぶことを楽しめたか。
文例を参考に1歳児・3月の月案を作成しよう
1歳児クラスの3月の月案作成に参考にできる文例を紹介しました。
冬が終わり少しずつ過ごしやすい気候になるので、積極的に戸外に出て遊ぶ機会を作っていきたいですね。
年度末や来年度への引継ぎに向けて、子どもの発達や成長の様子をきちんと整理してまとめておくことが大切です。
保育計画を立てる際はクラスの子どもたちの様子を思い浮かべながら、どんな保育をしていきたいか考えてみましょう。
月案の文章に悩んだときは、ぜひ本記事で紹介した文例を参考にしてみてくださいね。