「なぜ保育士になりたいと思ったのか」は保育士の就職活動での定番の質問です。
今まで保育士を目指して勉強や実習を乗り越えてきた方には、保育士を志すようになった何らかのきっかけや理由があると思います。
しかしいざ理由を問われると「上手くまとまられない」「ありきたりな理由しか思い浮かばない」と悩んでしまう方も多いかもしれません。
この記事では「保育士になりたい理由」の代表例や考えるポイント、具体的な例文を詳しく紹介します。
ぜひ参考にして、あなただけの「保育士になりたい理由」を考える手がかりにしてみてください。
「保育士になりたい理由」が必要なワケ
保育士の就職活動では、面接やエントリーシートで「保育士になりたい理由」を問われることが多いでしょう。
大学や短大への進学の際にも「保育士になりたい理由」について面接で問われたり、作文を書いたりする機会があるかもしれません。
ではそもそもなぜ「保育士になりたい理由」を聞かれるのでしょうか。
それは理由を聞くことで、面接官や学校は以下の点をを知ることができるからです。
- 本人の性格や人となり
- 保育士の仕事についてどんな考えを持っているのか
- どれくらい本気で志望しているのか
志望者も自分なりの「保育士になりたい理由」を改めて考えることで、自己分析を深めるきっかけにもなります。
コンサルタント
保育士になりたい理由にはどんなものがある?
就職活動や進学において保育士になりたい理由を明確にしておくことは大切だとわかりました。
自分なりの理由を整理するにあたり、まずは保育士になりたい理由としてよく挙げられるものを見ていきましょう。
子どもが好きだから
保育士になりたい理由として最も多く挙げられるものは「子どもが好きだから」です。
厚生労働省による保育士試験の受験動機の調査でも「子どもと接することが好きだったから」が6割以上占め、最も多い理由となっています。
しかし面接で答える際は「子どもが好きだから」だけではありきたりな印象になってしまうので、今までの経験やエピソードを織り交ぜるなどの工夫が必要です。
憧れの職業だから
自分が通っていた保育園の先生に憧れて保育士を目指すようになった方も多いでしょう。
優しく接してくれた保育園の先生が大好きだった、毎日楽しく保育園へ通えたのは担任の先生のおかげだったなど理由は様々です。
コンサルタント
保育実習の経験から
実際に保育実習へ行ってみることで保育士になりたい気持ちが固まった方もいるでしょう。
机上で学んでいたのとは違い、実際に子どもと接して保育を経験してみることで仕事の魅力ややりがいに気づくきっかけになります。
コンサルタント
子育て経験から
以前は保育と全く違う仕事をしていても、自身の子育て経験をきっかけに保育士を目指すようになった方も少なくありません。
子育てを通して保育士はやりがいをもって働けそうだと感じたり、保護者の気持ちがわかるからこそサポートする仕事に就きたいと考えることもるでしょう。
コンサルタント
特技を活かせるから
保育園では歌を歌ったり運動をしたりお絵描きや工作をしたりと、様々な分野での活動があります。
自分の特技を活かして働きたい、子どもに芸術や運動の魅力を伝えていきたいなどの気持ちをきっかけに保育士を目指すこともあるでしょう。
コンサルタント
保育士になりたい理由を考えるポイント
保育士になりたい理由でよく挙げられる例について見てきました。
自分の気持ちに近いものが見つかった方もいるのではないでしょうか。
ここからは実際に保育士になりたい理由を考えるポイントについて紹介します。
自己分析を丁寧に
就職活動では自己分析が大切だと言われていますが、保育士になりたい理由を考えることは自己分析の一つに当たります。
自分はどんなことが好きなのか、仕事でどんなことを実現したいのかを自分自身に問うことで自ずと保育士を目指したきっかけが出てくるでしょう。
自分自身のことがわからない、上手くつかめない場合は両親や兄弟、友人に聞いてみることもおすすめです。
コンサルタント
自分の経験からオリジナリティを出す
面接官の方はあなただけなく、複数人の志望者の面接をしています。
「子どもが好きだから」といった理由だけではマニュアル通りに感じられ、印象に残らない可能性があります。
自分の今までの経験や考えを含めて「どうして子どもが好きなのか」を裏付けるきっかけを伝えることでオリジナリティを出せるように工夫しましょう。
正解はないので見栄を張らず、自分自身のエピソードを素直に話すことが大切です。
「どんな保育士になりたいか」イメージする
「どんな保育士になりたいか」を考えることによって、保育士になりたい理由が見てくることもあります。
例えば「一人ひとり気持ちに寄り添える保育士になりたい」と感じているきっかけは、自分自身が保育園に通っていた時の先生がそうだったからかもしれません。
「どんな保育士になりたいか」を織り交ぜることで、保育士になりたい理由にもより深みを持たせることができるでしょう。
保育士になりたい理由の具体的な例文
保育士になりたい理由の考え方のポイントについて見てきました。
しかし、いざ考えてみようと思ってもなかなか文章が思いつかないといった方もいるでしょう。
ここからは自分なりの理由を考えるきっかけにできるように、いくつかの例文を用意しました。
ぜひ自分の気持ちに近いものを参考にしてみてください。
年下の子どもと遊ぶ機会が多かった
放課後は近所の公園で一緒に遊ぶことが多く、その中で一番年上だった私は自然と遊びを提案するなど引っ張っていく立場になりました。
小さな子どもたちと一緒に遊ぶことはとても楽しく、そのころから将来は保育士になりたいと思うようになりました。
子どもたちが様々な遊びや経験ができるよう、たくさんの引き出しをもった保育士になりたいと考えています。
年の離れた弟のお世話をしていた
両親は共働きで忙しかったので、ミルク作りやおむつ替えなどお世話を手伝っていました。
赤ちゃんから子どもに成長していく姿を近くで見守ってきた経験から、子どもの成長に寄り添えることの喜びや感動を実感し、次第に保育士になりたいと思うようになりました。
一人ひとりの子どもの姿を丁寧に見取り、気持ちに寄り添って成長を支えていける優しい保育士になりたいと考えています。
保育士として働く母の姿を見て
常に保育園の子どもたちのことを考え、責任感を持って働く母はとてもかっこよく、自分も保育の仕事に携わりたいと考えるようになりました。
母のように強い責任感を持ち、常に子どもに寄り添えるような保育士になるため入職後も日々精進してまいります。
通っていた保育園の先生に憧れて
しかし保育園へ行きたくないと感じたことはなく、それは担任の先生がいつも私のことをしっかりと見てくれ優しく接してくれたからでした。
当時は鉄棒遊びが好きだったのですが、毎日先生が褒めてくれるのが嬉しく熱中していたことを覚えています。
当時の担任の先生のように、一人ひとりの個性を伸ばし、子どもたちが安心できる環境を作っていける保育士になりたいと考えています。
保育実習で保育の奥深さを感じた
私も前に立って絵本や手遊びをしたのですが、子どもたちがなかなか落ち着いてくれずバタバタと終わってしまいました。
担当の先生からは「信頼関係ができれば保育もスムーズにできるようになるよ」と励ましの言葉をいただき、保育は時間をかけてじっくりと行っていくものだという新たな発見がありました。
私も子どもたちと良い関係を築き、子どもたちに信頼される保育士になれるように努力していきたいと思います。
自身の子育て経験がきっかけ
育児をする中で、子どもは生まれた時からそれぞれの性格など個性があることに気づき、生まれ持ったその子自身の良さを伸ばせるような関わりが大事なのだと実感しました。
保育士として、子どもたち一人ひとりの主体性を大切に個性を伸ばせるような保育を行いたいと考えています。
また自分が子育てを経験しているからこそ保護者の気持ちも理解できる部分が多くあると思うので子育て支援にも尽力したいです。
特技のピアノを活かしたい
サークル活動ではピアノを活かして社会に貢献したいと考え、保育園や幼稚園でミニコンサートを開催したり子どもたちと一緒に歌を歌ったりしていました。
そのような活動を通して、ピアノの特技を活かしながら子どもたちに音楽の楽しさを伝えたいと考え、保育士を目指すようになりました。
保育士ではなく幼稚園教諭になりたい理由と例文
保育士に近い職業として、幼稚園教諭があります。
近年共働き家庭が増えている影響で保育園や認定こども園が増えている一方、幼稚園の数は減りつつあります。
しかし根強い人気を誇る幼稚園があることも確かで、あえて保育士ではなく幼稚園教諭を目指している方もいるでしょう。
幼稚園の就職活動では「保育士ではなく幼稚園教諭になりたい理由」を問われることもあるようです。
コンサルタント
ここでは参考にできる例文を2つ紹介します。
幼児教育に興味があるから
五感をフルに使って心ゆくまで遊んだり、様々な経験を積む中で自分の興味のあることに対する知識を身につけていったりと充実した幼児期を過ごすことが生涯学習の基礎となり、人生の豊かさに繋がると考えています。
幼児教育の専門家である幼稚園教諭として、子どもたちが様々な経験、興味関心を広められるような環境作りや保育を行いたいと考えています。
幼稚園実習の経験から
初めて子どもの前に立つときはとても緊張しましたが、設定した活動を子どもたちが楽しんでくれ、口々に意見や感想を言ってくれたことがとても嬉しく心に残っています。
子どもたちは日々いろんなお話をしてくれたので、コミュニケーションをとることも楽しく、幼児の担任として働きたいとの思いが強くなりました。
身体を動かすことも好きなので、子どもたちと元気いっぱい園庭を走り回るような楽しく明るい先生になりたいです。
短大or大学の保育科を選んだ理由と例文
就職活動だけでなく、短大や大学などの進学の際に「保育士になりたい理由」を問われることもあります。
進学後には本気で保育の勉強をしたいという気持ちが伝わるように、マニュアル通りの答えではなく自分の経験や考えを織り交ぜて考えてみましょう。
また、面接では受け答えの仕方や言葉遣い、作文では基礎学力として文章力や漢字などについても見られるでしょう。
コンサルタント
ここでは参考にできる例文を2つ紹介します。
中学生での職場体験の経験から
実際に保育士の仕事を体験をしたことで、保育士は子どもと一緒に遊ぶだけでなく大変なことも多くあることがわかりました。
担当してくださった保育士さんは「乳幼児期の大人との関わりは将来に大きな影響を与える」ということを教えてくださり、保育の重要性に気づくこともできました。
子どもたちの大切な時期に関わるという責任感を持ちながら、進学後は乳幼児の発達心理や保育について積極的に学んでいきたいです。
高校生でのボランティア活動から
大学生の方と一緒に子どもたちがどうすれば楽しんでくれるかを考えてデイキャンプやレクリエーション活動を実行することは、大変なこともありましたが、大きなやりがいもありました。
ボランティア活動をきっかけにして、将来は保育士になって子どもたちが毎日楽しく通えるような環境づくりや関わりをしていきたいと考えるようになりました。
進学後は保育の基礎からしっかりと学び、子どもたちに慕われる保育士になれるよう努力していきたいです。
自分の言葉で「保育士になりたい理由」をまとめよう
就職活動や進学の際に問われることの多い「保育士になりたい理由」について、考えるポイントや具体的な例文を詳しく紹介してきました。
保育士を目指そうと思ったきっかけは人によって違って当然で、正解はありません。
自分なりの経験やエピソードを織り交ぜることで、オリジナリティのある答えが準備できるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、自分なりの「保育士になりたい理由」を考えてみてくださいね。