保育士が英語力を活かして働くには?英語教育の現状やおすすめの資格を紹介

保育士が英語力を活かして働くには?英語教育の現状やおすすめの資格を紹介

近年、プリスクールやインターナショナルスクールなど幼児期からの英語教育に注目が集まっています。

子どもの将来のためにできるだけ早い時期から英語を学ばせたいと考える保護者が増えているためだと考えられます。

では乳幼児期の子どもに関わる職業である保育士にも英語は必要になってくるのでしょうか。

英語教育に興味があったり、自らの英語力を活かしながら保育士として働きたいと考えている方もいるでしょう。

この記事では現在の英語教育の現状や保育士に必要な英語力を始め、英語を活かせる保育園の種類や保育士におすすめの資格について詳しく解説します。

「保育士」「幼稚園教諭」の英語での言い方は?

そもそも「保育士」とは英語で何と言うのでしょうか。

いくつかの表現がありますが「nursery school teacher」や「daycare teacher」が「(保育園で働く)保育士」という意味に当たります。

「childminder」との表現もありますが、こちらは「(個人宅で保育する)保育士」との意味になので少しニュアンスが異なるようです。

保育士と近い職業である「幼稚園教諭」は英語で「kindergarten teacher」や「preschool teacher」と表現します。

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代表的な言い方を紹介しましたが、国によって学校制度が違うので日本の「保育園」や「幼稚園」に当たる言葉はそれぞれ国ごとに変わってきます。

英語教育が重視されている背景

近年は小さな子どもを持つ保護者の英語教育への関心が高まってきています。

子ども向けの英語教材や英語教室も増えてきており、英語学習の低年齢化が進んでいるようです。

なぜ英語教育がこんなに重視されているのか、その背景について解説します。

グローバル化

現在、世界では急速なグローバル化が進んでおり日本も例外ではありません。

英語の話者は世界中で約15億人いるので、これから国際社会で活躍するために英語力は必須のスキルでしょう。

日本でも仕事で海外へ行ったり外国人とやり取りをしたりする機会はどんどん増えています。

インターネットの発達によって、日常生活においても情報やモノのやり取りで英語が必要な場面も出てきています。

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言語学習はなるべく早く始めた方が良いという考えも広まっており、子どもの将来のために早くから英語を学ばせたいと考える保護者が増えているのです。

小学5年生から「英語」が正式教科に

急速なグローバル化の流れを受け、日本政府も子どもの英語教育の改革に乗り出しています。

2020年から小学5、6年生で「英語」が正式教科になりました。

英語によるコミュニケーションスキルの基礎を養うことを目標に授業数も2倍になり、国語や算数と同じように成績もつけられます。

また小学3、4年生でも英語に親しむことを目標に「英語」の授業が開始されました。

義務教育においてもより低年齢から英語に触れて興味関心を高める指導要領に変化しています。

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小学校から英語教育が正式に開始されることを受けて、幼児期の英語教育にも注目が集まっているのですね。

早期英語教育のメリット

英語教育の低年齢化が進んでいますが、なぜ早くから英語教育を始めると良いのでしょうか。

ここでは早期英語教育のメリットについて3点に分けて解説します。

英語を聞き取る力がつく

英語には日本語にはない音や発音の仕方があり、大人になるにつれそのような英語特有の音を聞き分けることが難しくなります。

幼い子供は日本語のみで言語処理する習慣が確立していないので、英語の音声も自然と受けいれることができます。

幼少期から英語に触れる機会を持つことで、英語特有の発音の聞き分けが身につきやすいのです。

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言語学習には臨界期仮説というものがあり、一定の年齢までに学習を始めないと修得が難しくなるとも言われています。

遊びの中で学ぶことができる

学校に通いだすと英語は授業の中で学ぶことになり、どうしても勉強させられているという印象が強くなってしまいます。

幼児期の英語学習は歌やゲームなどを通して遊びの中で学んでいくスタイルが基本です。

楽しい雰囲気の中で英語に触れることで、英語に対する良いイメージができてより興味関心も深まるでしょう。

MEMO
ある程度成長すると子どもはネイティブの発音に恥ずかしさを感じてしまうこともあります。

 

幼いころだとそのような意識もなく、正しい発音を遊びの中で真似しながら身につけることができるでしょう。

早くから異文化に触れることができる

幼い頃から英語を始めとした異文化に触れることで、自分とは違う価値観や考え方を自然と受け入れられる土台を作ることができるでしょう。

日本人は単一民族なのでどうしても生き方や価値観が偏りがちになってしまいますが、それだけでは通用しない時代が訪れようとしています。

多様性が叫ばれる今、他者との異なる価値観や文化を受容し認め合うことが求められています。

コンサルタント

幼少期から英語教育を行うことで、異なる言語や文化に親しみ理解しようという姿勢が育まれます。

保育士に英語力は必要?

今後もますます英語教育は重要になってきそうですが、乳幼児期の子どもに関わる保育士にも英語力は必要なのでしょうか。

現時点ではインターナショナルスクールなど特別な園を除き、絶対に保育士に英語力が必要というわけではありません。

一般的な保育園の中でも英語教育を実施している増えていますが、外部の講師を招いていることが多く保育士が子どもに直接英語を教えるという場面はあまりないようです。

英語を話せるメリットとは

保育士の英語力は絶対に必要というわけではありませんが、あるに越したことがないのは事実です。

ここからは具体的に保育士が英語を話せるメリットについて解説します。

外国人の園児や保護者とのコミュニケーションがスムーズに

グローバル化の流れを受け、外国人の園児や保護者は年々増えています。

平成28年の調査では東京都の8割以上の園に外国人の園児が在籍しているとの結果が出ました。

円滑なコミュニケーションは充実した保育や保護者支援の提供に不可欠です。

園に英語が話せる保育士がいれば、日本語の理解が難しい子どもへの声かけや保護者への連絡もスムーズに行うことができます。

コンサルタント

一般的な保育園においても英語が話せる保育士は重宝されることでしょう。
参考:https://www.mext.go.jp/content/1422191_02.pdf#page=4 (外国人幼児の受入れにおける 現状と課題について)

保育士としての活躍の場が広がる

英語力のある保育士は就職先の幅が広がります。

近年注目されているプリスクールやインターナショナルスクールなど、勤務するにあたって英語力が必須な園も視野に入れることができるからです。

英語のレベルや持っている資格によっては手当や給料アップも期待できるかもしれません。

コンサルタント

今後も日本に住む外国人は増えていくと考えられるのでますます活躍の場は広がるでしょう。

英語が使える保育園の種類と特徴

留学やワーホリなどの経験があると、英語を使って保育士の仕事をしてみたいと考えている方もいるでしょう。

英語力を活かして働ける保育園にはどんな園があるのでしょうか。

英語が使える保育園の種類や特徴について解説します。

プリスクール

プリスクールは主に日本人の子どもを対象に英語教育を行う施設です。

英語を使う環境であるのは共通していますが、日中は全て英語を使うスクールもあれば年齢によって英語と日本語の比率が変わるスクールもあり、具体的な中身はそれぞれ異なります。

ほとんどが認可外の施設なので保育時間や預かり保育の有無、カリキュラムの内容なども園によって違います。

外国人講師とのやり取りは英語、保護者への連絡は日本語が必要になるので保育士には英語と日本語両方のスキルが必要です。

インターナショナルスクール

インターナショナルスクールは日本に住む外国籍の子どもが通う施設です。

近年は日本人の子どもが通うことのできるインターナショナルスクールもありますが、基本は外国籍の子どもを対象にしています。

インターナショナルスクールも認可外施設がほとんどで、教育内容は海外文化に則ったものが多いようです。

保育中や講師とのやり取り、保護者対応などほぼ全てを英語で行う必要があるので、勤務する保育士には日常会話レベル以上の語学力が求められることが多いでしょう。

コンサルタント

英語教育を行うというよりは、日常会話のツールとして英語を使用する施設です。

英語教育を実施している保育園

一般的な保育園でも英語教育をカリキュラムの中に取り入れる園が増えてきました。

英語教育を行っている園の多くは外部の講師を招いて実施しているので、保育士は講師の補助をするだけで良く特に英語力は必要ありません。

しかし保育士も英語が話せると講師とのやり取りを円滑に行うことができるので活動はよりスムーズに進みやすくなるでしょう。

コンサルタント

慣れ親しんだ担任の保育士が英語をスラスラ話す姿を見ることで、子どもの意欲や関心をさらに引き出すことができるかもしれませんね。

保育士におすすめの英語資格

保育士として英語を使って働きたいと考えたときに「自分の英語力はどのレベルなのか」を証明するためには資格があると便利です。

ここでは保育士におすすめの英語関連の資格について解説します。

幼児教育・保育英語検定

幼児教育・保育英語検定はグローバル化に対応できる幼稚園教諭、保育士育成のため乳幼児保育に適した英語力を身につけることを目的とした検定です。

試験内容は乳幼児との会話や園内の教育、保護者対応など保育現場ですぐに使える実用的なものになっています。

赤ちゃん言葉や幼児向けの表現など保育分野に関する言葉が出題されるのでまさに保育士にぴったりの資格です。

試験は入門レベルから専門レベルまで5段階で構成されているので、自分に合ったレベルから挑戦することが可能です。

コンサルタント

保育士として英語を使って働きたいと考えている方はぜひチェックしておきたいですね!

英語検定

英検という名で知られている国内最大の英語検定です。

1級から7級まであり、「話す」「聞く」「読む」「書く」の4つの技能を測定します。

入試や留学、就職などあらゆる機会に使われているものなので、保育士の英語力の証明としても十分に利用できます。

履歴書で英語力をアピールしたい場合は最低2級は必要となるでしょう。

コンサルタント

試験は全国各地で行われているので挑戦しやすい検定です。

TOEIC

TOEICはビジネスシーンで使われる言葉が中心に出題される資格試験です。

試験はリスニングとライティングで構成されており、990点満点のうち何点取得できたかで英語力を証明することができます。

一般企業では700点を超えれば十分なアピール要素になるとされているので、英語を使って働きたいと考えている方ははまずは700点を目指してみましょう。

コンサルタント

TOEICは年に10回試験が実施されているので、忙しい方でも都合の良いタイミングで受検することができます。

TOEFL

TOEFLは国際基準の英語能力測定試験です。

日本では英検やTOEICほど有名ではありませんが、国際基準の試験なので世界中どこででも通用する資格です。

「リーディング」「スピーキング」「ライティング」「リスニング」の4技能全てを測定し、120点満点のうち60点以上あれば履歴書に書いてアピールできるとされています。

コンサルタント

試験はほぼ毎週土日に行われており、受検するチャンスは年80回以上もあります。

英語が話せる保育士の需要はさらに高まる傾向に!

英語教育の低年齢化が進んでいる一方、英語を話せる保育士は貴重な存在であり今後もさらに需要が高まっていくと考えられます。

グローバル化や日本に住む外国人の増加に伴い、一般の保育園でも今後はますます外国人の園児や保護者が増えていくでしょう。

英語を話せることでプリスクールやインターナショナルスクールなど就職先の選択肢も増え、保育士としてのスキルアップにも繋がります。

英語力を活かしながら保育士として働きたいと考えている方は、保育士向けの転職サイトを利用して探してみることをおすすめします。

コンサルタントに相談しながら自分の英語力を活かせる園を探してみましょう。