保育日誌の書き方のコツとは?工夫ポイントや年齢別の例文を紹介

保育日誌の書き方のコツとは?工夫ポイントや年齢別の例文を紹介

月案や週案の作成、クラス便りの発行など保育士には書類仕事がたくさんあります。

その中でも毎日記入しないといけない保育日誌を負担に感じている保育士は多いのではないでしょうか。

「毎日何を書けば良いかわからない」「文章を上手くまとめられない」など悩みすぎて時には残業や持ち帰り仕事になってしまうこともあるでしょう。

この記事では毎日の日誌に悩める保育士の方へ向けて、保育日誌の書き方のコツや年齢別の例文を紹介します。

保育実習生の実習日誌のポイントについても解説しています。

ぜひ毎日の保育日誌の参考にしてみてくださいね。

保育日誌をつける意味とは

保育日誌をつけることは、保育の質の向上に繋がっています。

保育日誌に毎日の活動や子どもの様子を記録して振り返りをすることで、改善点や課題を洗い出すことができるからです。

出てきた改善点を翌日の保育に活かしたり、課題を解決するための保育や援助の方法を考えたりすることで自身の保育技術の向上にもなります。

記入するときはただ何となく日誌の空欄を埋めるのではなく、より良い保育に繋げるためという意識を持ってみましょう。

明日は今日より良い保育をしたい!という気持ちを持って書くことが大切なんですね。

保育士

今はアプリも?保育日誌の様式や項目

保育日誌の様式は園によって異なります。

手書きの用紙やワードなどのデータで管理をしている園が多いですが、今は保育士の負担を減らすため保育日誌のアプリを導入している園もあります。

記入項目も園によって多少の違いはありますが、基本的には以下の内容です。

  • 日付、天気
  • 行事
  • 出席数、欠席数とその理由
  • 子どもの健康状態
  • 今日のねらいと活動内容
  • 子どもの様子
  • 反省と考察
  • 保護者への連絡事項

保育日誌の書き方のコツ

保育日誌は保育の質の向上のために大切であることがわかりました。

重要性はわかりましたが、毎日のことだしできるだけ手早く書いてしまいたいです。

保育士

コンサルタント

確かに保育日誌に何を書くか悩みすぎて寝不足なんてことになっては本末転倒ですよね。

ここではポイントを押さえて効率的に保育日誌を書くためのコツについて解説します。

忘れないようにメモを取る

保育日誌に書けそうな出来事や気づきがあった時にメモをする習慣をつけましょう。

保育中は次から次へといろんなことが起こるので、お昼に「今日はこのことを日誌に書こう」と考えていても夕方には忘れてしまっていることもあります。

簡単な言葉で良いのでメモをとっておけば、記入前に見返して文章にするだけで日誌への記入が完了します。

後で自分が読み返した時にわかれば良いので字のバランスや言葉遣いは気にしなくて構いません。

コンサルタント

さっと手早くメモをとっておくだけで保育日誌の記入時間が短縮されますよ。

言い回しのテンプレートを決めておく

保育日誌に記入する文章のテンプレートをいくつか用意しておくことも一つのコツです。

  • 今日は◯◯保育日誌の書き方のコツとは?工夫ポイントや年齢別例文を紹介の活動があった。子どもたちは初めは◯◯だったが、保育士が◯◯の援助をすることで◯◯できるようになった。
  • ◯◯の製作をした。◯◯といった点が難しそうだったので、次は◯◯していきたい。

このような流れのテンプレートがあれば○○の部分を埋めて文章を繋げるだけで記入ができます。

文章の流れを応用することでどんな活動にでも使えそうですね!

保育士

先輩の日誌を参考にする

新卒や新人保育士の場合は、園の先輩の日誌を見せてもらうことも良い方法です。

何年も保育日誌を書き続けている先輩保育士の文章や表現方法は非常に参考になるでしょう。

また保育日誌の書き方は園によって様々で、漢字と平仮名の使い分けなど細かいルールが定められていることもあります。

園の先輩の日誌を見せてもらうことで園独自の書き方を学ぶことができます。

改善点を書くとより有意義な日誌に!

日誌は日々の保育の記録であると同時に保育士自身の振り返りでもあります。

毎日の保育内容や子どもの様子だけでなく、その日の保育の反省や今後の改善点などをまとめることが大切です。

どんな内容でも良いので毎日少しずつでも改善点を書き出すことで、より良い保育に繋がっていくでしょう。

コンサルタント

改善点を含めて記入しておくことで、今後の週案や月案の作成にも活かすことができますよ。

言葉遣いの注意点

保育日誌を書く際には注意点もあります。

まずは個人名の取り扱いについてです。

日誌の中に子どもの名前を出して良いかどうかは園によって異なります。

名前を出すことが禁止されている園やイニシャルならOKなどルールがあるので必ず確認しておきましょう。

次に日誌の中での言葉遣いです。

「~させる」「~してあげる」など高圧的・指導的な言葉遣いは控えるようにしましょう。

子どもが主体的に動くための援助を行っていることが伝わるよう「~するように声をかける」「~できるように促す」などの表現を使うことが望ましいです。

すぐに使える!年齢別、保育日誌の例文

保育日誌の書き方のコツについて解説してきました。

では実際にどんな文章や表現を使って書けば良いのでしょうか。

ここからは「ねらいと活動内容」「子どもの様子」「反省と考察」の項目に着目して年齢別に例文を紹介していきます。

0歳児の例文

0歳児は月齢差や個人差が非常に大きい時期です。

一人ひとりの様子に合わせた援助ができていたか、安心できる環境で過ごせていたかという点が大切です。

ねらいと活動内容

ねらい
  • 一人ひとりの体調に合わせ、ゆったりとした生活リズムで過ごす。
  • 安心できる環境の中で気になる玩具を触って遊ぶ。
活動内容
  • 音の鳴る玩具やボールなどを触って自由に遊ぶ。

子どもの様子

  • 週末の疲れが出ているのか午前睡をした子どもが多かった。
  • 保育士の歌に合わせて音の鳴る玩具を鳴らしてみたり、ボールをころがしてみたりとそれぞれが興味のある玩具で遊んでいた。

反省と考察

  • 子どもの様子に合わせて15分ほど午前睡を取り入れたことで、機嫌よく過ごすことができて良かった。
  • 音の鳴る玩具が人気で取り合いになる場面も見られた。一人ひとりが満足して遊べるようもう少し種類を増やして補充しておきたい。

1歳児の例文

1歳児も個人差が大きい時期なので一人ひとりの様子に合わせた援助が必要です。

活動や保育士の声かけに対する個人の動きや反応に着目して振り返りをしてみましょう。

ねらいと活動内容

ねらい
  • 楽しい雰囲気の中で自分で食べようという気持ちを育む。
  • よじ登る、転がる、ジャンプするなど全身を使った運動を楽しむ。
活動内容
  • マットやクッションなどを使って運動遊びをする。

子どもの様子

  • こぼしながらもスプーンを使って最後まで自分で食べようとする姿が多く見られたが、なかなか上手く食べられず保育士に食べさせてもらおうとする子どももいた。
  • マットで作ったお山やクッションを使ってダイナミックな動きで遊ぶことができた。怖がる子どもは保育士と一緒に挑戦した。

反省と考察

  • 保育士が手伝いながら励ます言葉をかけることで少しずつ自分で食べる意欲を引き出すようにした。自分で食べられて嬉しいと思えるような関わりをしていきたい。
  • 周りの勢いに気圧されてなかなか遊びに入っていけない子どももいたので、次は2グループに分けてもう少しゆったり遊べるようにしたい。

2歳児の例文

2歳児クラスでは身辺自立への意欲を引き出したり、友達との関わりが持てるような活動が多くなるでしょう。

具体的な子どもの様子や発言を書き出して考察してみましょう。

ねらいと活動内容

ねらい
  • 身の回りのことを保育士と一緒にしようとする。
  • 戸外で保育士や友達と一緒に身体を動かして遊ぶことを楽しむ。
活動内容
  • 戸外で追いかけっこをしたり遊具を使ったりして遊ぶ。

子どもの様子

  • パジャマに着替えるときに「はんぶんこ!」と言いながら保育士と一緒に服を畳む姿が見られた。
  • 保育士が追いかけっこを始めると子どもたちは喜んで逃げて楽しんでいた。途中からは子どもが保育士を追いかける遊びに変わった。

反省と考察

  • 身の回りのことを自分でやりたい気持ちが強くなっているので引き続き褒めたり励ましたりしながら援助をしていきたい。
  • 昨日と同じく保育士と一緒に追いかけっこ遊びを楽しんだ。少しずつ追いかけっこにも慣れてきたのでむっくりくまさんなど簡単なルールのある遊びも取り入れていきたい。

3歳児の例文

3歳児クラスからは友達との関わりが一気に増えるでしょう。

子どもの様子を見ながら友達と仲良く遊ぶためにはどんな援助が必要なのか考えていきましょう。

ねらいと活動内容

ねらい
  • 自分なりに生活の見通しを持ち、身の回りのことを自分でしようとする。
  • 室内で友達と一緒に好きな遊びを楽しむ。
活動内容
  • ままごとやブロック、パズルなど好きな玩具で遊ぶ。

子どもの様子

  • 登園後に出席シールを貼ったりタオルをかけにいったりする流れがだんだん定着してきている様子だった。
  • 玩具の貸し借りがうまくいかない場面では保育士が間に入ることによって「貸して」「ありがとう」「ちょっと待ってね」などのやり取りができた。

反省と考察

  • 朝の用意や給食前の準備の流れを表した絵カードを用意したことでわかりやすくなったと感じる。戸外遊びの準備なども追加で用意していきたい。
  • 友達との関わりで言葉選びが難しかったり自分から声をかけられなかったりする場面があるので、今後も保育士が寄り添いながら少しずつ関わり方を伝えていきたい。

4歳児の例文

4歳児では集団遊びも活発になってきます。

一人ひとりの性格や個性に寄り添いながらクラス全体の活動にも着目して日誌を書いていきましょう。

ねらいと活動内容

ねらい
  • 自分の気持ちを言葉にして伝える喜びを感じる。
  • ルールを守る大切さを感じながら友達と楽しく遊ぶ。
活動内容
  • フルーツバスケットをする。

子どもの様子

  • 自由遊びの後にどんな遊びをしたか、どんなところが楽しかったかについて発表し合った。クラスみんなの前で少し照れながらも一生懸命発表する姿が見られた。
  • 全員で行ったフルーツバスケットではルールにも慣れてきた様子で楽しく遊んでいた。「みかんさん呼ばれたよ」「ここ空いてるよ」など周囲の友達に声をかける姿も見られた。

反省と考察

  • みんなの前で話すことが恥ずかしい子どもは保育士と一緒に言ったり、保育士が言葉を補うことで発表することができた。無理強いはせず、自分の気持ちを伝えることが嬉しいと感じられるように援助していきたい。
  • フルーツバスケットは途中から少し飽きてきている様子も見られた。フルーツのグループ分けだけでなく他の要素も取り入れてより楽しめるようアレンジしていきたい。

5歳児の例文

5歳児では友達と協力し合う姿も見られるようになってきます。

主体性や集団の中での様子などにも着目しながら援助の仕方を考えていきましょう。

ねらいと活動内容

ねらい
  • 季節の変化に興味を持ち、秋の自然に親しむ。
  • 友達同士で意見を出し合いながら話し合いを進める。
活動内容
  • 秋のお楽しみ会の発表を何をするかについてグループで話し合う。

子どもの様子

  • 戸外遊びでは落ち葉を集めてままごとに使う様子が見られた。きれいな色の落ち葉を見つけて友達と「お部屋に飾りたいね!」と話している姿も見られた。
  • 意見がぶつかり合って言い合いになるなどなかなか話し合いはまとまらなかった。どんどん自分の意見を言う子となかなか話せない子と分かれていた。

反省と考察

  • きれいな色の落ち葉を集めて喜ぶ姿が見られたので、拾った落ち葉を使った製作遊びに繋げていきたい。
  • 全員が自分の意見を出し合えるよう友達の話に耳を傾ける大切さを伝えたり、一人ひとりが話せるような声かけをしたりしていきたい。

実習中の保育日誌のポイントは

保育学生が実習中に記入する日誌のポイントとは何でしょうか。

実習日誌では保育のねらいや反省考察の他に、実習生自身の目標設定や実習生ならではの視点での考察が必要です。

ここからは実習日誌の記入のポイントについて解説します。

実習日誌では目標設定が大切

実習日誌では保育のねらいの設定だけでなく、自分自身の目標の設定もします。

保育のねらいは活動を通して子どもにどんな成長をしてほしいかを書きますが、目標では自分自身がどんなことを学びたいかを記入します。

保育の活動でも毎回ねらいを立てて振り返りをするように、実習生自身も毎日自分の目標を立てて振り返りましょう。

コンサルタント

有意義な実習にするためにも、目標設定は実習日誌の大切なポイントです。

具体的な目標設定についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
例文あり!保育実習の目標の立て方について詳しく解説例文あり!保育実習の目標の立て方を詳しく解説

保育士の動きの意図を考えよう

実習では保育士の動きに着目して考察することが大切です。

実習日誌には「保育士の援助」という項目があることが多いですが、記入の際は「なぜ保育士はその援助をしたのか」と一歩踏み込んだ考察をしてみましょう。

保育士は常に何か意図をもって子どもに関わり、声かけをしているはずです。

コンサルタント

自分だったらどうするかまで考えることでより深い学びになることでしょう。

コツを掴んでより良い保育に繋がる日誌を書こう!

保育日誌の書き方のコツについて解説してきました。

たくさんの業務がある中で毎日保育日誌をつけることは大変ですが、保育の質の向上に繋がる大切な要素です。

紹介したコツや年齢別の例文を参考に自分なりの書き方を確立させてみましょう。

ポイントを押さえて効率的に毎日の保育日誌に取り組んでみてくださいね!