保育士はやりがいも大きい仕事ですが、辛いと感じることも多くある仕事です。この記事では、保育士が仕事を辛いと感じる理由やその解消方法についてご紹介しています。
かわいい子どもたちに囲まれて一緒に歌を歌ったりお散歩をしたり、保育士の仕事は一見とても楽しそうに見えますよね。
しかし実際に現場で働く保育士の中には楽しいこと以上に大変なことが多く、仕事が辛い!と感じている方が多くいます。
子どもの命を守らないといけない重大な責任がある上、高いコミュニケーション力やマルチタスク能力、文章力、発想力…保育士に求められる能力は膨大です。
その割に給料は他業種より圧倒的に少なく、残業ばかりでプライベートの時間を取りづらいなど、報われない思いをすることが多々あります。
では具体的に保育士が辛いと感じるのはどんな場面でしょうか。
また、辛いと感じたときにどのような対策を取れば良いのでしょうか。
この記事では、保育士が辛いと感じる理由を紹介し、辛い気持ちの解消法についてもお伝えしていきます。
保育士は精神的にきつい!よくある辛いと感じる理由
ほとんどの方は保育士になる前から、ある程度保育士の仕事が大変なことは想像していたと思います。
しかし、実際に現場で働いてみると思っていた以上に仕事が大変で、辛いと感じてしまうことが多いようです。
保育士が辛いと感じてしまう理由にはどんなものがあるのでしょうか。
保育士の数だけ辛い理由はあると思いますが、ここでは辛いと感じるよくある理由について紹介します。
人間関係が悪い
保育士が辛いと感じる最も多い理由として人間関係が挙げられます。
保育士に限らずどんな仕事でも人間関係は重要で、仕事を快適にこなすために必要不可欠な要素です。
コンサルタント
日々の保育や行事をスムーズに行うためには上司や同僚との関係も非常に重要ですし、子どもや保護者との信頼関係を築くことも非常に大切なことです。
具体的に保育士が人間関係で仕事が辛いと感じる理由にはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは保育士の人間関係を4つの項目に分けて紹介します。
園長と保育観が合わない
保育士はそれぞれ自分なりの保育観を持っていると思います。
園ごとの大まかな保育方針は就職する際に調べていたとしても、日々の保育の中では大なり小なり保育観の違いが出てくることがあります。
特に園長との間に大きな違いがあったら、自分の理想とする保育ができません。
自分の考えと違うことを毎日しないといけなくなると、当然ストレスが溜まり仕事が辛いと感じてしまいます。
担任同士のマウンティング!?ペアの保育士との相性が悪い
保育士は複数担任で仕事をすることが多いので、ペアになった保育士と相性が悪いと仕事に行くことが辛くなってしまいます。
指導の域を超えたお局保育士の新人いびりや、あらゆる点で自分の方が上だと主張してくるマウティングなど、保育室という閉鎖された空間では様々な同僚とのトラブルが発生します。
年度が変わればクラス編成も一新されるので1年間の辛抱ではあるのですが、1年間というのは結構長いです。
「あと〇ヵ月…」と年度末を指折り数えて待つ毎日になってしまうと精神的に辛い日々を過ごすことになってしまいます。
保護者対応が難しい
保護者との信頼を築くのは時間がかかりますが、崩れるのは一瞬です。
上手く関係を築けていたとしても、一つのトラブルが原因でその後ずっと心を閉ざされてしまったり、ささいなことで何回も園長までクレームを入れられたりすることもあります。
信頼を築くこと、その信頼を継続させていくことが保護者との関係性で一番重要であると同時に一番難しく、上手くいかないと仕事が辛くなってしまいます。
また、モンスターペアレンツという言葉を聞くようになって久しいですが、保護者のなかには本当にいろいろな価値観の方がいます。
若い保育士だと保護者の方が年上であることが多いので、「先生は子どもいないでしょう」といった心無い言葉を浴びせられることもあり、気持ちがくじけてしまうこともあるでしょう。
保育士
クラスがバラバラ!子どもが言うことを聞いてくれない
やりがいでもあるかわいい子どもたちが原因で仕事が辛くなってしまうこともあります。
子どもは例え赤ちゃんでも大人のことをよく見ていて、保育士によって態度を変えることがあります。
特に新人の保育士で自信がなかったり不安げだったりすると、子どもはそれを読み取って自由に振る舞うでしょう。
子どもが言うことを聞いてくれずクラスがまとまらないと、さらに自信がなくなって悪循環に陥り、仕事に行くのが辛いと感じてしまいます。
仕事内容が辛い
保育士になる前には、実習に行くなどある程度現場を想像する機会があると思います。
しかし実際に働いてみないと仕事内容を完全に理解することは難しいです。
現場に出て働く中で、想像以上の大変さを感じてしまうこともあります。
ここでは保育士の仕事内容について辛いと思ってしまう理由を紹介していきます。
驚異のマルチタスク
保育士の日常では仕事をこなしているうちから別の仕事が発生します。
例えば、給食の準備ができて自分も食べようと思った時に「先生、お味噌汁こぼしたー」と子どもから報告が入ったとします。
床にこぼれたお汁を拭き、着替えを用意していると「先生、おかわり」「先生、トイレ」「○○くんが叩いてきた」次から次へと畳みかけるように新たな問題が発生し、結局自分の給食は全然手をつけられなかったということも日常茶飯事です。
もちろん子どもをみることが保育士の仕事なのでマルチタスクなのは当たり前かもしれません。
しかし、自分の食事さえもままならないほど忙しい毎日に疲れ果て、仕事が辛いと感じてしまうのも仕方ないのではないでしょうか。
正解がないから難しい
保育士の仕事は契約数や売上げなど目に見える結果がありません。
子どものことを考えて設定した活動や関わり方が本当にそれで良かったのかどうかが、なかなかわかりにくいです。
また、人間を相手にしている仕事なので一つの言葉かけや関わりがが全員に適用できることはなく、常に試行錯誤しながら一人一人の子どもと関わっていく必要があります。
コンサルタント
労働環境がブラック
政府の働き方改革などで昔よりはずいぶん労働環境の改善は進んでいます。
しかし保育士の仕事はまだまだ残業をしている人ががんばっているとみなされるなど昔からの風習が残っています。
もっとも仕事量が多すぎて残業をせざるを得ない面もあり、保育士の労働環境は良いとは言い難いです。
ここでは労働環境が原因で保育士が辛いと感じてしまう理由について2点紹介します。
サービス残業に持ち帰り仕事の蔓延
保育士の仕事は子どもと遊ぶことだけではありません。
日中の活動を設定するための月案、週案、日案の作成などの書類仕事や壁面などの製作物の準備など子どもと直接関わらない仕事もたくさんあります。
さらにそのような仕事は子どもがいる日中にできないので、サービス残業や持ち帰り仕事の蔓延に繋がっています。
また、保育室の掃除や園庭の草引き、プール掃除なども業者ではなく保育士でまかなっている園が多く、時間内に全ての仕事を終わらせることなどほとんど不可能です。
子どもが好きで保育士になっても、子どもと関わる以外の仕事が多すぎてこんなはずじゃなかったとなってしまう方も多くいます。
給料が責任に見合っていない
保育士の低賃金は保育士不足の主な原因とされており、社会問題になるほどです。
経験を積んだ保育士でも手取りが20万を下回ることが多く、酷い場合は給料の低さゆえに求人条件で実家暮らしに限定されていることもあります。
その割に仕事量は多く、中でも子どもたちの命を預かっているという責任は重大です。
災害やアレルギーの対応など、保育士は日々の保育の中で子どもの命を預かっているという意識を常に持って業務に当たっていると思います。
保育士
早番遅番のシフト制で不規則な生活
園にもよりますが、保護者の働き方のニーズに合わせるため朝は7時ごろから夜は19時ごろまで保育を行っている園が一般的です。
そのため保育士の出勤はシフト制になっており、早番や遅番があります。
7時に出勤する日と10時に出勤する日では4時間も差があり、生活リズムを整えることが難しいです。
さらに早番で早く出勤したからといって保護者対応や会議、翌日の準備などで早く帰れないことも多々あり、長時間労働に繋がっている現実もあります。
保育士
保育士の仕事が辛い時の乗り越え方
保育士が辛いと感じてしまう理由はたくさんありました。
しかし、仕事が辛いと思っていても子どものことを考えると少し無理をしてでもがんばってしまう保育士の方が多いのではないのでしょうか。
なるべくストレスを溜めず心に余裕を持つことは、働くうえでも人生を豊かにするためにも大切なことです。
ここでは保育士が辛いと思っている方に向けて、少しでも心を軽くできるような考え方や辛さの解消法について紹介します。
人間関係は割り切って考える
職場での人間関係は全て仕事の一環として割り切ってしまうことをおすすめします。
理不尽なことを言われても「仕事だから」と考えて必要以上に気に病むことのないようにしましょう。
ただ、もしも普段の仕事に支障が出るほどのトラブルに見舞われた場合は、園長や信頼できる同僚に相談して解決することも大切です。
仲良くする必要はありませんが、仕事を遂行するためにはある程度コミュニケーションをとれる関係を築く必要があるからです。
コンサルタント
一人で抱え込まない
何についての悩みでもそうですが、一人で抱え込んでしまうとどんどん悪い方へ考えていってしまいます。
仕事が辛いと感じた時は仲の良い同僚、プライベートの友達、家族、恋人など誰でも良いので相談してみましょう。
仕事仲間だと相談事を具体的に理解してもらえるので相談をしやすいでしょう。
友達や家族の場合は全く他の業種の仕事に就いていれば違った視点からのアドバイスを期待できます。
すぐに解決することは難しくても、気持ちを吐き出すだけでも心が軽くなることはあります。
コンサルタント
ストレス解消の方法を探す
自分なりのストレス解消の方法を見つけましょう。
友達とお喋りすること、ライブ参戦やショッピング、熱中できる趣味など仕事のことをすっかり忘れられるほど楽しめることであれば良いですね。
週末や仕事終わりに何かささいなことでも楽しみを作ると、気持ちが前向きになるのでおすすめです。
コンサルタント
保育士の仕事で楽しいことは?やりがいを見直そう
仕事が辛いと感じてしまうと、どうしても嫌なところばかり目についてしまいがちになります。
けれども、保育士の仕事は本当に辛いことばかりでしょうか。
先輩に怒られた後でもかわいい子どもたちの笑顔に癒されたり、お迎えの時間に保護者の方に「いつもありがとうございます」と感謝されたりと、日々やりがいを感じていると思います。
仕事で楽しいと感じたことややりがいについて改めて考え直してみると、意外と悪いことばかりじゃないと思えるかもしれません。
どうしても辛いなら転職!
仕事が辛いと感じたときの対策についていくつか紹介してきましたが、どうしても耐えられない場合は身体やメンタルに不調が出てきてしまう前に転職を考えましょう。
保育士の資格と経験があれば職場はいくらでもあります。
ちょっとした工夫で乗り越えられる辛さなら今の職場でがんばっても良いかもしれませんが、心を病んでしまうほど辛い場合は環境を変えるべきです。
転職するとなるとなかなか踏ん切りがつかない方もいると思うので、辞めて後悔する人と辞めて良かったと思える人について紹介します。
辞めて後悔する人
まずは、転職先を決める前に辞めてしまった人です。
辛い環境から逃れてしばらくはすっきりするかもしれませんが、無職の期間が長くなると焦りが大きくなり、辞めた園よりも環境の悪い園に転職してしまうこともあります。
辞める場合は、ある程度次の仕事の見通しを持っていることが後悔するかしないかを左右します。
また、仕事をやり遂げられなかったと感じてしまいそうな人も一時の感情で辞めてしまうと後悔する可能性があります。
保育士をしていると、子どものためにも年度途中では絶対に辞めたくない、今受け持っている子どもの卒園までは見届けたい、など自分なりの仕事の区切りを持っていることが多いと思います。
その場合、辛いと感じていても途中で退職してしまうとどうしても心残りができてしまう可能性があります。
退職を考えるなら、自分の中である程度区切りのつくタイミングで行動することをおすすめします。
辞めて良かったと思える人
すぐに辞めて良い人は、仕事が原因で体調やメンタルが不調に陥っている人です。
心身を壊してまで続けないといけない仕事はありません。
体調を崩してしまうほど辛い場合は早急に今の職場を離れましょう。
保育士の職場は他にもたくさんあるので、自分が心身共に健康に働ける職場を探すことをおすすめします。
次に、辛さの原因が自分ではどうにもできないところにある人です。
例えば園長との保育方針の違いなどはどう努力しても変えることはできません。
給料などの待遇についても、なかなか保育士一人の力で変えることは難しいです。
この場合は求める条件が明確だと思うので、その条件に合う園に転職することがおすすめです。
保育士を辞めたいと思った方は以下の記事も参考にしてみてください。
保育士を辞めたい人は多い!悩みの解決策と転職先の選択肢、円満退職の方法を徹底解説理想の環境の職場を探そう
退職する前にはできるだけ転職先を決めておくことをおすすめします。
在職中の方が、気持ちに余裕を持って転職活動に取り組めるからです。
転職活動にはベスト保育への登録がおすすめです。
勤務地や雇用体系など希望する条件を入力していただくと条件に合った園をご紹介できます。
今の職場で抱えている悩みを解消できる、理想の職場を探しましょう。
仕事が辛い時は考え方を変えてみて!どうしても辛いときは転職しよう!
保育士の仕事を辛いと感じる場面は多くあると思います。
そんな時は考え方を少し変えてみたり、ストレス解消法を探してみたり、心を軽くする方法を見つけましょう。
しかし、無理は厳禁です。どうしても仕事が辛い場合は体調を崩す前に転職しましょう。
心身共に余裕を持って伸び伸びと働ける職場に転職することで、保育士の仕事が「辛い」よりも「楽しい!」と思える日が多くなるかもしれません。