「保育士として働くためにはピアノが必要なのでは?」そう思う方がいらっしゃると思います。
結論から言いますと、ピアノが弾けなくても問題なく保育士になることは可能です!
しかし、ピアノが弾けた方がスキルアップになりますし、活動の幅も広がります。
この記事では、保育士に求められるピアノのレベルや学ぶ方法をご紹介します。
あわせて、おすすめの練習法や弾けると良い保育園の定番曲もお伝えしますので、
- ピアノが苦手な保育さん
- ピアノが弾けないけれどこれから保育士を目指したい
そんな方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
ピアノが弾けなくても保育士になれる?
保育士というと、活動の中でピアノを弾いて歌っている場面を想像する方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、中にはピアノが弾けないと就職が難しいという情報を聞いて不安に感じる方もいらっしゃると思います。
冒頭でもお伝えしましたが、結論から言うと、ピアノが全く弾けなくても保育士になることは可能です!
ただし中には、
- ピアノに力を入れている保育園
- 就職試験でピアノのスキルを求める保育園
があるのは事実なので、そういった保育園で働きたい方はピアノが弾けた方が良いでしょう。
中には、「ピアノが苦手な人はギターなどの他の楽器、アカペラやCDもOK」という保育園も多くあるので、ピアノが苦手な保育士さんでも問題なく働けるので安心してくださいね!
保育士の国家試験で求められるピアノのレベルとは?
保育士になるには、保育系の学校を出て取得する以外に、国家試験を受けて取得する方法があります。
国家試験では筆記試験と実技試験があり、実技試験に関しては以下の3種類から1つを選択しなくてはなりません。
- 『音楽表現』・・・子どもに歌って聴かせることを想定し、課題曲2曲を弾き歌いする
- 『造形表現』・・・出題される場面をイメージし絵を描いて表現する
- 『言語表現』・・・子どもに向かって話をする場面を想定し、適切な話し方で伝える
選択肢にピアノは含まれていますが、あくまで選択制になるため、自信がない方は別の実技を選べば特に問題はありません。
保育士が弾けたら良いピアノのレベルとは?
ここまでピアノが苦手な方でも、保育士になれることをお伝えしました。
しかし、先にお伝えしたように、中にはある程度のピアノスキルが求められる保育園もあります。
また、ピアノが弾けた方が保育の活動の幅も広がることは間違いありません。
ここでは、保育士が弾けたら良いとされるピアノのレベルをご紹介します。
初心者向け入門書『バイエル』終了レベル
ピアノの楽譜には『バイエル』と呼ばれる初心者向けの専門書があります。
このバイエルでは、右手でメロディーを弾き、左手で伴奏を弾くというピアノの基本的なスキルを学ぶことが可能です。
一般的なピアノの楽譜はト音記号とヘ音記号に分かれていますが、正直ピアノ初心者にとって両方の記号を見てすぐ弾けるようになるのは難しいでしょう。
バイエルの場合、初めの方はト音記号が中心となるので初心者でも簡単に練習できるメリットがあります。
バイエルを終了した頃には、童謡など子ども向けの曲の伴奏ができるレベルになるので、基礎から少しずつ学んでいきたい方にはバイエルがおすすめと言えるでしょう。
子ども達を見ながら弾き歌いができる
一般的なピアノは楽譜を見ながら演奏するのがメインですが、保育士の場合は目的が異なります。
どんなに素晴らしいピアノスキルがあっても、子どもがピアノに合わせて歌えなければ意味がありません。
そのためには、保育士がピアノを弾きながら一緒に歌う形が理想です。
もう一歩レベルを上げるならば、弾き歌いしながら子どもの方を見れると尚良いでしょう。
これらのスキルは一見難しく感じますが、練習すれば必ずできるようになります!
保育士におすすめ!ピアノを学ぶ方法とは?
ここからは具体的にピアノを学ぶ方法についてご紹介します。自分に合った方法で学びましょう!
独学で学ぶ
時間に余裕がある方、ピアノを学んでみたいという意欲が高い方は独学で学ぶのも一つです。
先ほども出てきたバイエルなど初心者にも簡単で分かりやすい楽譜が沢山あります。
また、最近ではYouTubeなどでピアノ初心者向け動画を見て学習することも可能です。
- 自分で学習時間を確保できる
- できるだけお金をかけずに自分のペースで学びたい
ピアノ教室に通う
独学でピアノを学ぶのが難しいという方はピアノ教室に通って学ぶのがおすすめです。
ピアノ教室ではお月謝を払って、プロの先生があなたのレベルに合った指導をしてくれます。
また、基礎から段階を踏んで丁寧に教えてくれるため、独学よりも上達するのが早いでしょう。
ピアノ教室によっては、保育士向けのコースなどがある場合もあるので、事前に目的を伝えて確認するのが良いでしょう!
専門学校でピアノを学ぶ
保育系の専門学校では、授業にピアノが組み込まれていることが多く、ピアノが初心者の方でも安心して学ぶことができます。
学校によっては、集団レッスンではなくマンツーマンの個別レッスンを取り入れているところもあるため、ピアノが苦手な方でも安心です!
保育士におすすめ!ピアノの楽譜の探し方
ここでは、保育士におすすめのピアノの楽譜の探し方をご紹介します。
童謡と一言で言っても弾き方やレベルは楽譜によってさまざまです。
「実際に楽譜を買ってみたけどレベルが合わなくて使うのをやめてしまった」ということにならないよう、自分に合った楽譜を選びましょう!
書店や楽器店で購入する
大きな書店では保育士専用の楽譜コーナーが設けられている場合もあります。
2,000円~3,000円前後で、季節の歌や保育の活動で使える歌の楽譜が一冊にまとまった専門書を購入することができます。
また、レベルも簡単なものから難しいレベルのものまでさまざまなので、ピアノが苦手な方は『初心者でも簡単に弾ける』『ハ長調だけで弾ける』などと表紙に書いてあるものを選ぶのがおすすめです。
楽器店では書店同様、保育士向けの1冊にまとまった専門書を購入することも可能ですし、一曲毎で楽譜を購入することも可能です。
書店よりも楽譜の数が多いのと、レベルがこまかく分かれているので、
- 弾きたい曲が事前に決まっている
- 数ある楽譜の中から選びたい
そんな方は楽器店で楽譜を選ぶのが良いでしょう!
サイト上の無料の楽譜から探す
簡単な楽譜であれば、サイトにある著作権フリーの楽譜を使う方法もあります。
その場合、楽譜を見るのもダウンロードするのも無料なので、初心者の方でも気軽に楽譜を探せるのと、書店や楽器店を見て回る必要がないのがメリットです。
代表的なサイトは以下の通りです。
保育塾
保育塾では、保育の専門サイトで現場で使える楽譜が手に入ります。1つや2つのコードで弾けるものもあり、一曲に2~3種類のレベルや異なるリズムパターンの楽譜があるので、簡単なものからレベルが高いものまで自分に合った楽譜が選べるのがポイントです。
音楽研究所
取り扱っている曲数が多いので、自分の好きな曲もチャレンジしたい方にはおすすめのサイトです。
はんなりピアノ
内容が超初心者向けのため、ピアノが苦手な保育士さんにもぴったりのサイトです。
動画付きで丁寧に解説してくれているので、初心者やピアノに抵抗がある方でもチャレンジしやすいでしょう!
d-score
中にはかなり専門的なことまで紹介しているので、初心者からある程度ピアノが弾ける人まで幅広く使えるサイトになります。
ただし、楽譜を表示する専用ソフトをダウンロードしなくてはならないため、簡単に楽譜を手に入れたい方には他のサイトがおすすめです。
「なるべくお金をかけずに楽譜を手に入れたい」という方はサイト上の無料の楽譜から探すのも良いでしょう!
ピアノが苦手な保育士必見!おすすめ定番曲
子どもの歌と言っても、季節・行事の歌などさまざまです。
ピアノが苦手な方にとって、全ての曲を弾けるようになるのはなかなか難しいですよね。
ここでは、ピアノが苦手な方でも簡単に弾けて、おすすめの定番曲をご紹介します。
難易度も低いため、以下の曲から練習してみてはいかがでしょうか?
チューリップ
ド~ラまでしか使わない『チューリップ』は、ピアノが苦手な方でも簡単に弾けるようになる曲です。
年齢や学年を問わず歌えて、春におすすめの童謡なので、弾けるようにしておきたい一曲と言えるでしょう。
キラキラ星
『キラキラ星』は楽譜が読みやすく、暗譜もしやすいのでピアノが苦手な保育士さんにおすすめの曲です。
右手のメロディーはそのままで左手の弾き方を工夫するだけで曲の雰囲気が変わるので、アレンジしやすいのも特徴と言えるでしょう。
耳になじみやすく、大人も子どもも覚えやすい曲という点でもおすすめの一曲です。
グーチョキパーでなにつくろう
子ども達の大好きな『グーチョキパーでなにつくろう』の歌は、歌うだけでなく手遊びとしても遊べる曲です。
難易度的にも難しくないため、ピアノが苦手な保育士さんにもぴったりな一曲と言えるでしょう。
弾き方はそのままで作るものをカニ・カタツムリ・アイスクリームなど変えて楽しめるのもポイントで、給食前に弾いたり、お話をする前に弾いたりとさまざまな場面で使えるおすすめの曲です。
手をたたきましょう
『手をたたきましょう』は、ピアノに合わせて歌うだけでなく、足踏みしたり手をたたいたり体を使って歌える曲です。
体を動かしながら歌えるのでリトミック要素も入れられるおすすめの曲と言えるでしょう。
伴奏の難易度も低めなので、ピアノが苦手な保育士さんでも安心して選べる一曲になります。
現役保育士が教える!おすすめのピアノの練習方法とは
ピアノが弾けるようになるために必要なこと、それは、ひたすら練習することです。
しかし、練習の仕方を間違えると上手く覚えられなかったり、上達までに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
ここからは、現役保育士が実際にやって上手くいったピアノの練習方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
片手ずつしっかり練習する
ピアノの練習で最も大切なのは、片手ずつしっかり練習することです。
最初から両手で弾くというのは難しいことなので、片手で何度も練習して、最後に両手で合わせるのが良いでしょう!
「できるようになったかも」と思って早い段階で両手で合わせてしまうと、間違えて覚えてしまったり、変な癖がついてしまったりすることもあるので必ず片手ずつ練習するのがポイントです。
また、片手ずつできるようになったら片手で弾きながら歌ってみると良い練習になります!
速さはゆっくりと!
ピアノの練習はとにかくゆっくりしたテンポで練習するのが大切です。
できるようになれば速さは変えられますし、目的は弾けるようにすることなので、焦らず練習しましょう。
また、ここで忘れてはならないのが最終的には、保育士のピアノに合わせて、子どもが歌うということです。
実際には、大人が歌うよりもワンテンポ遅いイメージで弾くのを心掛けましょう。
自分の演奏を録音する
弾きながら自分の演奏を聞くのと、録音したものを客観的に聞くのでは聴こえ方が変わってきます。
録音したものを聞くことで、以下のような改善点が見えてくるでしょう。
- 自分がどこでつまずきやすいか
- どこでテンポが変わりやすいか
また、子ども目線で適切なテンポ感や歌いづらさなどを理解するために、録音した自分の演奏に合わせて歌ってみるのもおすすめです。
苦手な箇所は何度も繰り返し練習する
練習していくと、段々自分が苦手な箇所が分かってきます。
どうしても止まってしまったり、ミスタッチが多い箇所は、ゆっくり何度も何度も繰り返し練習しましょう。
止まらず10回弾けたら次に進むなど目安を決めて練習するのもおすすめです。
鍵盤を見ないで弾き歌いする
両手で弾き歌いができるようになったら、横や後ろを見ながら弾き歌いをしてみましょう!
なぜなら、実際の保育現場では子どもを見ながら弾き歌いをするのが理想です。
本来子ども達から目を離すことは、保育中はあってはならないことなので、子ども達を見ながら歌う想定で練習してみましょう。
自分の弾きたい曲にチャレンジしてみる
ピアノが上手くなるコツはとにかく自分の好きな曲にチャレンジしてみることです。
専門書などの曲は馴染みのない曲ばかりなので、中には飽きてしまう方や、モチベーションが上がらないという方もいらっしゃるでしょう。
自分の好きな曲であれば元々聞き慣れているため、上達しやすく楽しんで練習ができるのでおすすめです。
何を弾いたら良いか分からない方は、自分の好きな曲や興味のある曲にチャレンジしてみましょう!
ピアノが弾けると保育士としてスキルアップできる!
保育士はピアノのスキルがなくても問題なく働くことができます。
ピアノ以外の楽器やアカペラ、CDでも問題ないという保育園も多くあるので、安心してくださいね!
しかし、職場によっては就職試験でピアノの高いスキルが求められたり、幼児クラスの担任になると苦手でも弾かざるを得ない状況になったりすることもあります。
そのようなことも踏まえて、就職活動や転職活動の際は、ピアノのスキルが必要かどうかも確認して保育園選びをするのが良いでしょう。
また、ピアノは練習すれば誰でも必ずできるようになります!
基礎やコツを掴めば、楽譜を見てさまざまな曲がスムーズに弾けるようになるでしょう。
「子ども達のために弾けるようになりたい」という方もいらっしゃると思いますが、ピアノが弾けると自分の強みになります。
さらには、活動の幅が広がったり、保育士としてのスキルアップにもつながるでしょう。
保育士としてスキルアップできるとモチベーションアップややりがいにもつながってくるので、ピアノに限らずどんどんチャレンジしてみましょう!
「ピアノは苦手だけどやってみたい!」という方は、今回ご紹介した学習方法や練習方法を試してみてくださいね。