スキルアップしたい保育士必見!知識や資格をご紹介

スキルアップしたい保育士必見!知識や資格をご紹介

保育士として働いている方の中には、

  • 「もっと専門的な知識を身に付けたい」
  • 「保育の引き出しを増やしたい」
  • 「今よりも給料アップさせたい」

そういった思いからスキルアップしたいと考える方がいらっしゃるのではないでしょうか?

でも実際にスキルアップするために、どんな方法があるのか分からないという方もいらっしゃると思います。

この記事では、保育士がプラスで持っておくと有利な資格やスキルなどをご紹介します。

スキルアップしたい保育士さんは、ぜひ参考にしてくださいね。

保育士にスキルアップが必要な理由とは

共働き家庭が増え、待機児童問題に保育士不足と、さまざまな問題を抱える日本では保育士へのニーズが多様化し、より質の高い保育が求められるようになってきています。

保育園に通う子どもの多くは、一日のほとんどの時間を保育園で過ごすことが多く、身近な存在である保育士は子どもにとって大きな影響を与える存在です。

安全に預かるだけでなく、子ども達が心身ともに健やかに育っていけるよう保育をする必要があるため、幅広い分野の知識やスキルが求められます。

例えば、以下のようなスキルや専門的な技能を身に付ける必要があります。

保育士に必要なスキルや専門的な技能
  • ピアノや体操、リズム遊びなどの実技のスキル
  • 子どもや保護者、一緒に働く保育士とより良い人間関係を築いていくために求められるコミュニケーション能力や傾聴スキル
  • 子どもが怪我や事故などで万が一意識を失った時に瞬時に対応するための応急処置や救命救急スキル
  • 事務処理能力やパソコンスキル

スキルアップすることは、保育の質を向上させたり、活動の幅が広がったり、業務効率が上がったりと、保育士として働く上でのモチベーションアップにもつながるでしょう。

保育士がスキルアップするメリット

保育士がスキルアップするメリットは以下の通りです。

スキルアップする6つのメリット
  • 仕事をしていく上での自信になる
  • 効率的に仕事ができるようになる(事務処理能力などが上がる)
  • 資格をとることで昇給につながる
  • 仕事の幅が広がる
  • 自分の強みになる
  • 転職の際の自己PRになる

新人の頃は、仕事に慣れることにいっぱいいっぱいでも少しずつ余裕が出てくると、「今以上に専門性を磨きたい」と思う方もいらっしゃると思います。

幅広い知識を身に付け、自分の強みを磨くことは、リーダーとして活躍するきっかけにもなるでしょう。

保育士がスキルアップできる知識・資格・研修とは

保育士が働く上でスキルアップが必要な理由やスキルアップするメリットを紹介しました。

ここからは実際に、保育士がスキルアップできる知識や資格、研修について詳しくご紹介します。

保育士のスキルアップにおすすめ【知識編】

まずは保育士として、身に付けたい知識・学んでおきたい知識をご紹介します。

普段何気なくやっていることでも、より専門性を身に付けることで、スキルアップにつながるのでぜひ学んでみましょう!

コミュニケーション能力

保育の仕事に関わらず、コミュニケーション能力はどんな時にも役立つスキルです。

保育士は子どもや保護者をはじめ、同僚、上司とより良い信頼関係を築く上で高いコミュニケーションスキルが求められます。

また、子どもにとって保育士は成長過程において影響力がある存在です。

保育をする中で「子どもにどのような言葉掛けが良いか」など迷うこともあると思います。

経験を重ねる中で、コミュニケーション能力は身についていくものですが、さらにスキルを高められるように、専門の書籍を読んだり、セミナーや研修に参加したりするのがおすすめです。

コミュニケーション能力が高いと、相手に信頼してもらえたり、会話がスムーズにできたりするので仕事に関わらず、どんな場面にでも役立つでしょう!

傾聴力

保育の仕事では『相手の話をよく聞く場面』が多くあるでしょう。

ここで身に付けたいのが『傾聴力』です。

傾聴力とはただ話を聞くだけでなく、相手の心に目を向け耳を傾けるスキルのことで、子どもとの関わりはもちろん、保護者支援に役立ちます。

傾聴力が養われると、「相手が何に一番困っているのか」が見えてくるため、同じ目線で一緒に物事を考え、適切なアドバイスができるのです。

また、コミュニケーションをとる中で、傾聴が上手くできると相手にとって相談しやすい環境を作ることにもなるので、後輩保育士の育成やリーダーシップにも活きてくるでしょう。

PC能力

子どもの情報をパソコンでデータ管理したり、園だよりや指導案をパソコンで作成したり、連絡帳のやりとりをパソコンで行ったり、パソコンスキルが必要な保育園が増えてきています。

基本的なタイピングや操作はもちろん、WordやExcel、PowerPointなどが問題なく使えると業務を効率的に進めることができるでしょう

中には、「パソコンは苦手だからできるだけ避けたい」という方もいらっしゃると思いますが、意外に慣れると簡単だったり、分かりやすい専門書も出ていたりするので、ぜひトライしてみましょう!

保育士のスキルアップにおすすめ【資格編】

ここからは、保育士のスキルアップにおすすめの7つの資格をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

チャイルドマインダー

『チャイルドマインダー』とは、イギリス発祥の家庭的・少人数保育の専門家のことで、自宅や家庭に訪問して乳児や小学生まで幅広い年齢の子どもと関われる資格です。

子ども一人ひとりの個を尊重した保育スキルを身に付けられるので、子ども一人ひとりに寄り添った保育を実践したい方にはおすすめの資格と言えるでしょう。

資格を取得するためには、通信や通学で養成講座を受け、試験に合格する必要があります。

育児セラピスト

育児セラピストとは育児の専門家と呼ばれる資格です。

子どもの発達に関する知識や保育現場で役立つスキルをはじめ、育児相談に必要な援助スキルを身に付けることができます。

保育士は子育てをする保護者を援助しながら見守る仕事でもあるので、育児セラピストは保育士のスキルアップにおすすめの資格と言えるでしょう。

絵本専門士

絵本専門士とは、絵本の読み聞かせのスキルや絵本に関する高度な知識をもつ『絵本の専門家』のことです。

子ども達に絵本を読み聞かせをする機会が多い保育士は、読み聞かせや表現力の技術を学べるため、ピッタリの資格と言えるでしょう。

資格を取得するためには計6ヶ月養成講座を受講する必要があります。

ベビーサイン講師

ベビーサインとは、まだ言葉が話せない赤ちゃんとジェスチャーや手話を使いコミュニケーションを取る育児手法のことです。

ベビーサインを学ぶことで、保育中赤ちゃんと楽しくコミュニケーションがとれることはもちろん、保護者にもスキルを伝えられるので保育士のスキルアップにおすすめの資格と言えるでしょう。

6日間の講師育成プログラムを受講した後、試験に合格することで資格が取得でき、イベントや教室などでベビーサインを指導することができます。

幼稚園教諭免許

保育の学校を出て保育士資格を取得した人の中には、幼稚園教諭免許も一緒に取得している人が多いかもしれません。

保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と管轄は異なりますが、最近では認定こども園などが増えてきているため、両方の資格を持っている方が活躍の場が広がるでしょう。

保育士資格を持っている場合は、特例制度を利用することで通常よりも少ない単位数で幼稚園教諭免許を取得することができるのもメリットです。

リトミック指導者

リトミックとは音楽に合わせて体を動かす音楽教育の一つです。

楽しく音楽と触れ合いながら、子どもの集中力や表現力、感性を育てることができます。

リトミック指導者の資格を持っていると、自宅で教室を開いたり、保育園や幼稚園に指導に行ったりとさまざまな環境で活躍する機会が増えるしょう。

また、保育士として転職する際も自分の強みとしてアピールすることもできます。

専門機関やスクールに通ったり、研修や講座、通信で学んだりすることで資格取得が可能ですが、レベルや学ぶ時間もそれぞれ異なるので、自分の目的に合わせて取得方法を決めましょう。

リトミック指導員は、ピアノのスキルが必要になりますが、音楽や体を動かすのが好きな保育士さんにはおすすめの資格です。

食育スペシャリスト

食育スペシャリストとは、食に関する専門の知識を身に付けた『食育を伝えるスペシャリスト』のことです。

子どもの食育に携わる保育士としてはスキルアップにおすすめの資格で、食育計画を作成したり、保護者と食について会話する際にも役立つでしょう。

講座や試験に合格することで資格取得が可能です。

保育士のスキルアップにおすすめ【研修編】

ここからは保育士のスキルアップにおすすめの研修についてご紹介します。

民間企業や地方自治体が主催する研修

保育士としてスキルアップする方法として、民間企業や地方自治体が主催する研修に参加するのもおすすめです。

主催団体によって研修のテーマや定員数は異なり、民間企業の研修は参加費がかかるものもあります。

保育園によっては研修費用を全額負担してくれるところもあるので、興味のある研修がある場合は、園長先生に相談してみるのが良いかもしれません。

研修例は下記の通りです。

研修名 研修内容
リーダーシップ研修 中堅社員に向けた研修で、組織の目標達成のためにチームを引っ張っていくスキルを学ぶ。
保護者対応 保護者との適切なコミュニケーションの取り方や傾聴力を学ぶ。
歌・体操・リトミック 発表会や運動会で使える歌・体操・リトミックを専門の講師から実戦形式で学ぶ。
絵画・造形研修 絵を描いたり、制作物を作る時の、子どもへの指導方法や言葉掛けの仕方を学ぶ。

保育士のスキルアップにつながるキャリアアップ研修制度

平成29年4月に保育士の待遇向上と専門性を強化する目的で厚生労働省が定めた制度『保育士等キャリアアップ研修』。

保育士としての経験年数や役職などに合わせて、所定の研修を受けることで補助金(処遇改善)をもらえる仕組みになっています。

これまでは給料の低さが問題視されていた保育士ですが、キャリアアップ研修制度を活用すれば、月額で最大4万円の給料アップが期待できます。

一度研修を受講すれば、保育園を退職したあとも無効になることがないため転職にも活かせるのがポイントです。

ただし注意したい点は、保育園毎で受講の人数制限があることや、補助金の分配方法が各保育園によって異なることです。

詳細は勤務先の保育園に聞いて確認するのが良いでしょう。

保育士のスキルアップにおすすめ!保育分野以外の資格

ここからは、保育分野以外で保育士のスキルアップにおすすめの資格をご紹介します。

保育現場はもちろん、持っていれば他の職業にも活かせる資格なのでぜひ参考にしてくださいね。

産業カウンセラー

産業カウンセラーとは、心理学的な手法を使って働く人を支援する資格です。

人間関係に関する専門的な知識やカウンセリング技術を身に付けることができ、働く人が抱える問題を『自らの力で解決できるよう支援する』ことができます。

主任や園長など管理職になってからの人材育成や環境改善に活用したり、傾聴スキルも学べるので保護者支援にも活かせる資格です。

資格を取得するには、養成講座を受けたり、大学院などで指定の専攻を修了し、受験資格を得ることが必要になります。

その後、試験に合格することで産業カウンセラーとして働くことが可能です。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOSは、Word・Excel・PowerPointなどマイクロソフト製品のパソコンスキルを証明できる資格のことです。

資格を取得するには、毎月1~2回実施している『全国一斉試験』を受けるか、最寄りの試験会場で実施している『随時試験』の2種類で受験する必要があります。

実用的なパソコン能力が身に付くので、書類作成はもちろん、転職活動でも有利になるでしょう。

指導計画の作成など作業効率をあげたい保育士さんにもおすすめの資格です。

簿記の資格

簿記とは、お金やものの動きを記録するスキルのことで、会社経営や事務職に役立つスキルです。

簿記はこんな方におすすめ
  • これから園長を目指す方
  • 保育園を立ち上げたい方

また、保育士として持っていても転職活動でアピールでき、活躍の選択肢が増えるため持っていて損はない資格です。

簿記には3級・2級・1級と分かれていて、初めて簿記試験を受ける方は3級から受けるのが良いでしょう。

就職活動でアピールできるのは2級・1級になるので段階を踏んで受けて、いずれは1級までとれると強みになります。

TOEIC

一般的な英会話やリスニング能力、ビジネス英語に関するスキルを検定するテストです。

990満点中600点以上を超えると、就職試験でもアピールポイントになります。

試験対策として独学で勉強する方法もありますが、TOEICで高得点を目指したい方は、英会話スクールに通うのもおすすめです。

近年、保育園では外国籍の園児が増えてきているため、コミュニケーションをとる上で、基本的な英会話は身に付けておきたいスキルと言えるでしょう。

コンサルタント

英語についてはこちらで詳しく解説しています!

現役保育士・園長経験者が選ぶスキルアップにおすすめの資格とは?

最後に、現役保育士や園長経験者が選ぶおすすめの資格をご紹介します。

実際に保育現場で活かせる資格ばかりなので是非参考にしてください。

現役保育士が持っていて役立ったおすすめの資格とは?

リトミック指導者の資格を取った保育士2年目Aさん

私が、取得して保育士のスキルアップにつながったのは、『リトミック指導者』の資格です。

元々、ピアノはそこまで得意な方ではありませんでしたが、自分なりに独学でリトミックを学び保育で実践していました。

普段は言葉では気持ちを伝えられない子や、積極的に友だちの輪に入れない子でも、リトミックが始まると楽しそうに参加したり、自分をのびのび表現する姿が見られ、私は感動しました。

そこからリトミックの魅力に惹かれた私は、本格的にリトミックを学ぶために、働きながら2年間スクールに通い、リトミック指導員の資格を取得。

その後は、子どもの発達や成長に合わせたリトミックが保育の中でできるようになり、『リトミック発表会』という行事を任せられるまでになりました。

私にとってリトミックを学べたことは、本格的なスキルが身に付いた喜びはもちろん、ピアノが得意ではない私でも指導員になれたことが何よりも大きな自信となりました。

これからもどんどん保育士としてスキルアップできるように、色々なことにチャレンジしていきたいと思います!

園長経験者が選定!スキルアップにおすすめの資格とは?

PCスキルを証明するMOS

園長経験者として、保育士におすすめの資格は、MOSです。

「保育士にパソコンスキルなんて必要?」と思う方もいらっしゃると思いますが、昔と変わって保育園もパソコンで情報を管理する時代になりつつあります。

保育園にもよりますが全てをパソコンで管理している保育園の場合、ある程度のパソコンスキルがないと、次のようなことが起こりうるでしょう。

パソコンスキルがない問題
  • 書類作成の時間が大幅にかかる
  • 仕事が全然終わらなくて保育にも支障が出てしまう
パソコンスキルというとハードルが高いと感じる方も多いと思いますが、やってみると意外に簡単という場合もあります。

効率的に仕事を進めていく上でも、MOSの資格をはじめ、パソコンの専門書で基本的なスキルを学んでおくのがおすすめです。

保育士としてさらにスキルアップして今後の可能性を広げよう!

時代の変化とともに、保育士にはさらなる専門性とさまざまな分野のスキルが求められるようになりました。

資格や知識が増えると、それだけ活躍できるチャンスが増え、保育士としてのキャリアの可能性が広がります!

可能性が広がるとやりがいや自信にもつながりますよね。

今回ご紹介した知識や資格をとって、保育士としてさらにスキルアップを目指しましょう!