1歳児クラスの8月の月案を考えるポイントや参考にできる文例をまとめました。
文例は、ねらい、内容、環境構成および援助や配慮、家庭との連携、健康・安全・食育、保育士等の連携、反省・自己評価の7つの項目に分けて紹介します。
「どんなことを書けば良いかわからない」「文章が思いつかない」など月案作成で悩んでいる保育士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1歳児8月の月案を考えるポイント
8月に入るとプールや水遊びなど夏の遊びにも慣れ、十分に楽しむ姿が見られるようになるでしょう。
1歳児クラスでは水遊びの他にも氷や寒天、泡を使った感触遊びなどこの時期ならではの活動を取り入れていきたいですね。
8月中旬のお盆前後には登園児が減り、異年齢での合同保育を行う園もあるかもしれません。
保育士同士が密に連携を取り合い、一人ひとりに寄り添いながら安心して過ごせるよう関わっていきましょう。
また1歳児は体温調整が未熟なため、保育士が子どもの様子を見ながら適度に休息や水分補給を促していくことが大切です。
暑い日が続きますが、引き続き熱中症対策に気を付けて過ごしていきましょう。
コンサルタント
前月の子どもの姿
まずは前月の子どもの姿の文例を紹介します。
- 毎日元気に登園している子どもが多かったが、鼻水や咳が出たりお昼寝の後に熱がこもって体温が上がったりする姿もあった。
- 友達に興味を持ち、遊びを真似たり手を繋いだりしに行く姿が見られたが、うまく関わることが難しくトラブルになることもあった。
- 回数を重ねるごとに顔や体に水がかかることにも少しずつ慣れ、それぞれのペースで水遊びを楽しんでいた。
【1歳児8月】ねらいの文例
1歳児クラスの8月のねらいの文例を養護と教育に分けて紹介します。
【1歳児8月】養護の文例
- 一人ひとりの体調の変化に気を付け、暑さに負けず元気に過ごせるようにする。
- 快適な環境の中で夏の疲れを癒しながら健康的な生活を送る。
【1歳児8月】教育の文例
- 保育士や友達のしていることに興味を持ち、真似をして遊ぶ。
- 水や氷、泡など様々な素材に触れ、感触遊びを楽しむ。
【1歳児8月】活動内容の文例
1歳児クラスの8月の活動内容の文例を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【1歳児8月】生活の文例
生命の保持
- 日差しや気温、活動内容に応じて適度に休息や水分補給をはさみながら遊ぶ。
- 保育士に誘われてトイレへ行き、排泄しようとする。
情緒の安定
- 信頼できる保育士の側で安心して眠ることで、疲れを癒す。
- 甘えや欲求を十分に受け止めてもらい安定した情緒で過ごす。
【1歳児8月】 遊びの文例
健康
- 水遊びや体操を通して体を動かすことを楽しむ。
- 手先を使う玩具や細かい手指の動きを取り入れた遊びを喜ぶ。
人間関係
- 保育士や友達のしている遊びを見て、真似してやってみようとする。
- 保育士やクラスの友達、異年齢児と一緒に過ごすことを喜ぶ。
環境
- 感触遊びを通して、気持ち良さや冷たさなど様々な素材の特徴を感じる。
- 園庭で育った夏野菜を見たり触れたりすることで、自然物への興味を持つ。
言葉
- 絵本を読んでもらい、指差しや簡単な言葉のやり取りをすることを喜ぶ。
- 食事の前後に簡単な言葉や仕草で挨拶をしようとする。
表現
- なぐり描きをしたりスタンプを押したりして製作することを楽しむ。
- 簡単な体操やリズム遊びをして体を動かすことを喜ぶ。
【1歳児8月】環境構成および援助と配慮の文例
1歳児クラスの8月の環境構成および援助と配慮を生活(生命の保持、情緒の安定)と遊び(五領域)に分けて紹介します。
【1歳児8月】生活の文例
生命の保持
- 気温の高い日はなるべく日陰や室内で遊んだり、涼しくなる夕方に戸外へ出るなど活動場所や時間帯を配慮する。
- 個々の排尿間隔やタイミングを見ながらトイレに誘うようにしていく。
情緒の安定
- 自分の眠る場所がわかって安心できるよう、一人ひとりの布団を敷く場所場所を固定しておく。
- 子どもの様子やその日の体調、家庭での生活リズムなどをしっかりと把握することで適切な関わりへ繋げていく。
【1歳児8月】遊びの文例
健康
- 保育士が大きな動きで遊ぶ姿を見せることで意欲を引き出し、伸び伸びと体を動かして遊べるようにしていく。
- 手先を使った遊びができる玩具を用意しておく(洗濯ばさみ、シールなど)。
人間関係
- 保育士が楽しく遊ぶ姿を見せたり友達が遊ぶ姿を知らせたりすることで、遊びの興味を広げていく。
- 子ども同士が関わっている姿を見守りながら、必要に応じて仲立ちをして友達と一緒に過ごす楽しさを感じられるようにする。
環境
- 感触遊びを嫌がる子どもには、「気持ち良いよ」と保育士が感触を伝えたり友達が触って遊んでいる姿を見守ったりして無理なく活動に参加できるようにしていく。
- 園庭の野菜や植物を一緒に見ながら名前や色、大きさなどを伝えることで興味を持てるようにする。
言葉
- 一対一での読み聞かせも大切にし、絵本に対する反応を丁寧に受け止めていく。
- 保育士が状況に合わせた挨拶やジェスチャーをすることで、生活に必要な挨拶に気づけるようにする。
表現
- 必要に応じて一緒に道具を持って使い方や力加減を伝えたりしながら製作を楽しめるよう関わっていく。
- 季節の歌や子どもが好きな曲を選んでおく(『おばけなんてないさ』『サンサンたいそう』など)。
【1歳児8月】家庭との連携の文例
家庭との連携の文例を紹介します。
- 体調を崩しやすい時期なので、睡眠時間を十分にとるなど家庭での生活リズムにも気を付けてもらう。
- 安全に遊ぶため、爪の長さをこまめに確認してもらう。
- 夏の遊びの様子を知らせたり家庭での様子を聞いたりしながら、園と家庭で同じ関わりができるようにしていく。
【1歳児8月】健康・安全・食育の文例
健康・安全・食育の文例を紹介します。
- 夏の感染症や皮膚疾患の流行を防ぐため、症状の早期発見、予防に努めていく。
- 異年齢児保育では怪我や事故が起こらないよう、玩具の数や大きさ、コーナーの配置などを配慮していく。
- 夏の野菜や果物の絵本を通して、季節の食べ物への興味を引き出していく。
【1歳児8月】保育士等の連携の文例
保育士等の連携の文例を紹介します。
- 個々の体調や生活の様子を共有し合いながら保育を進めていく。
- 一人ひとりの居場所や動きに目を配り声を掛け合いながら安全に過ごせるよう遊びを見守っていく。
- 休みが増える時期には異年齢児の合同保育を行うので、生活の流れや遊びの内容などを話し合っておく。
【1歳児8月】反省・自己評価
反省・自己評価を記入する際のチェックポイントを紹介します。
- 熱中症や夏の感染症などの流行を防ぎ、元気に過ごせたか。
- 友達と同じ遊びをしてみたり、関わりに行ったりして遊ぶ姿が見られたか。
- 水の気持ちよさを感じたり氷の冷たさを喜んだりしながら、夏の遊びを十分に楽しむことができたか。
文例を参考に1歳児8月の月案を作成しよう
1歳児クラスの8月の月案作成に参考にできる文例を紹介しました。
楽しい遊びが盛りだくさんの8月は、夏ならではの開放感を味わえるような活動を取り入れていきましょう。
この時期にはトイレトレーニングの相談を受けることも増えるかもしれません。
排尿間隔や子どもの様子を見ながら、一人ひとりに合ったペースで始めていけると良いですね。
保育計画を立てる際はクラスの子どもたちの様子を思い浮かべながら、どんな保育をしていきたいか考えてみましょう。
月案の文章に悩んだときは、ぜひ本記事で紹介した文例を参考にしてみてくださいね。